世界の選りすぐりのオーガニック食品やオーガニックコスメを輸入卸している出展企業の「おもちゃ箱」。3年ぶりとなる「SONNENTOR(ゾネントア)」の来日セミナーに参加してきました。
創業からつづくオーガニックへの想い、そしてサステナブルなものづくり、品質管理の徹底など、ゾネントア社の哲学について、聞いてきたことをご紹介していきます。

ゾネントアのはじまり

今回来日されたのは、2003年からゾネントア社で働き、主に輸出担当のマネージャーを務めるヨハン・ハンスさんと、ブランディング担当のベルンハルト・シュナイダーさん。「ゾネントア社のグートマン社長とは、学生時代からの友人なんですよ」とハンスさんからのお話でスタートしました。

グートマン社長は、学生のころから、「農家を引き継ぐだけでなく地域のためになることをしたい」と考えていたそう。オーガニックのすばらしさ、そして農家の生き残りについて、より良い方法を見つけていきたいんだと、若い頃から語っていたそうです。

ゾネントア社は、グートマン社長、そして今回お話をしてくれたハンスさんが生まれ育ったオーストリア北部のヴァルトフィアテルの地で1988年に創業されました。この地は自然豊かな場所で、周りに工場などがありません。

「生まれ育ったヴァルトフィアテルの地で、この地の伝統的なシンボルマークを付けたオーガニック製品を作る!」とグートマン社長が一人でスタートしました。しかし、創業当時はオーガニックという考え方がまだ一般的ではなく、周りからは笑いものにされた辛い時期も。それにもめげず、グートマン社長は、先祖代々つづく伝統の革ズボンと赤い縁の眼鏡をトレードマークにし、農家を一軒ずつ回り、オーガニック原材料を使った商品づくりの必要性を説明し続けていきました。

ゾネントア社と言えば「笑う太陽」のロゴマークが印象的。これは、自由に働くことを許されなかった中世の農家が、自由と自立の象徴である太陽のマーク(24本の光線)をシンボルにしたことに由来します。
ゾネントアの名前とロゴには「太陽に守られている」という想いと、農家たちの太陽への敬意の意味が込められているんです。

「サステナブル」は環境だけでなく一緒に働く社員のためにも

ゾネントア社の本社はオーストリアのシュプロクニッツにあります。ハーブ製品の生産拠点です。ウィーンから車で1時間半ほどの場所に位置しています。

会社の電力は自家発電。ソーラーパネルを設置し、社屋の屋根には断熱効果のために芝生が敷かれています。30台もの電気自動車や電気トラックを保有していますが、トラックの電気自動車は、オーストリアでもまだ珍しいそうです。

ゾネントア社のオーストリア本社には、従業員350名が在籍。周辺に昼食を取れる飲食店が少ないこともあり、事前申請があれば従業員は無料でランチを食べられる福利厚生があります。しかも3種類のメニューはすべてオーガニック。そのおいしさが評判となり、今では社外からの訪問者も食べられるカフェテリアになっています。オーガニックのおいしいランチを無料で食べられるなんて、うらやましいですね。このカフェテリアは上司、部下関係なく集いの場として活用されています。

それから、従業員の子どもたちのために保育園も設けられています。
オーストリア本社の従業員350名のうち、男性は90名、女性は260名と多くの女性が働いているのも納得です。ものづくりの根底に、地域で働く社員の健康や働きやすさへの想いがある、素敵な取り組みです。

ちなみに、オーストリア国内でのランキングでは、企業の社会的責任(CSR)の部門で2位になったこともあるそう。オーストリアでは知名度も高いブランドということが分かりますね。

現在は、ゾネントア社は多くのオーストリア人に知られる会社となりましたが、現在は、ゾネントア社は多くのオーストリア人に知られる会社となりましたが、もともとこの地域は失業者が多く、若い人は村から出て行ってしまうような地でした。それを「地域のためになることをしたい」というグートマン社長の想いで、雇用を作り、従業員の働きやすさを考え、地域を活性化したことで、政府から評価を受けた実績もあるほど。
時間をかけてオーガニック製品を広げ、地域の活性化にも取り組んできた、根気強く、力強く、そしてサステナブルな会社であることを再認識させられます。

オーガニック100%、それを支える農家たち

ゾネントア社によると、原材料は100%オーガニックで、そのうち40%はオーストリア産です。

ハーブ、スパイスなど900種類を超える素材があり、原料の60%は農家から直接、調達しています。適正な価格で取引し、原材料調達の透明性、品質の確認、農家との関係性を大切にしています。

オーストリアとドイツの耕作面積は400ヘクタール、80軒の農家と契約し、代々続いている農家の若者が「農家を継ぎたい」と考えてくれているそうです。オーガニックなので、天候や環境変化による収穫量の変動はつきものです。ゾネントア社では1年のはじめに、農家さんに生産量を聞いていますが、生産量は農家さんにお任せし、強制していません。

契約農家との信頼ある関係性と、協力が大切と言います。
定期的に農場見学会(フィールドデー)を設け、農家を1軒ずつ回り、困りごとが無いか、品質改良のノウハウを共有できる点が無いかと確認を続けているとのこと。

原材料にこだわるには、それを作る農家の状況まで知ることが大切と考え、自らの目で確認し、有機認証の取得が必要な場合は費用も負担しているという徹底ぶりです。

直接取引ではない原材料の残りの40%は、信頼できるインポーターから調達。合わせると世界の1,000の農家、約60の国から透明性の高い厳選されたオーガニック原材料を集めています。

ゾネントア社では、品質管理も徹底しており、高品質な製品であるためにもオーガニック認証が必要と考えています。

原材料の受け入れの際には、ゾネントア社が決めた厳しい基準があります。さらに、外部機関での残留農薬や異物混入の検査を行い、万が一問題があれば即座に戻されます。検査をクリアした後も、金属探知機や磁石を用いた異物検査があり、徹底的な検査をクリアする必要があるんです。コストも時間もかかりますが、お客さまのために大切な工程であると考え実施しています。

原材料から製品として流通されるまでの工程を少し知っただけでも、安心できる製品をお客さまに届けたいという想いが、ずっしりと伝わってきますね。

セミナーの質疑応答の際に、ヨーロッパの温暖化について質問がありました。
ニュースでも聞いている通り、ヨーロッパでも気候変動の影響を受け、高温や乾燥が深刻化しており、予定の50%しか収穫できなかった農家もあったそうです。こういった困難があっても、どう育てるかを一緒に考えるのがゾネントア社。高原や涼しい場所、季節をずらして栽培するなど工夫をして生産量が減らないようにしているそうです。

絶え間ない製品開発とその道のり

ゾネントアのハーブティーやスパイスは、非常にラインナップが豊富です。
パッケージもデザイン性が高く、ギフト提案もしやすく、お店側から好評なのも納得。

スーパーデリバリーでも人気の「ヒルデガルト」のシリーズは、850年前から存在するレシピを再現したものです。
製品開発にあたっては、新しいものを作るだけでなく、伝統的に大切にされてきたレシピもあるのがゾネントアの楽しいところではないでしょうか。

開発の現場では、若いチームが分析を行い、どれが売れ筋となるのか検証しています。デザイナーも多く在籍し、アロマやハーブにそれぞれ詳しい人が関わって、味や香りを研究し、製品を作り上げています。

製品化の提案からラベル作成まで、なんと2年以上かかることも。2年も経ってしまうと、トレンドが変わってしまうことがあるので、お蔵入りとなるケースもあるのですが、それらは「メモリアルアイデア」として今後に活かすため残しておくんだそう。
アイデアも「捨てる」ことなく、残しておくというのは、敬意ある行動だなと感心します。

また、多くのアイデアはお客さまからもらうそうで、ぜひ日本の方の意見も参考にしたいですとおっしゃっていました。

そしてセミナーでは、これからの時期におすすめのハーブティーが紹介されました。

1つ目は、「ハッピーフォーチュンティー」です。新年への前向きな願いを込めてつくられた、18種類のメッセージ付きのおみくじティーで、
「今日はなにが出るかな?」とワクワクさせてくれる楽しいハーブティーです。

2つ目は、「木枯らしのこほっとティー(Cold Wind Tea)」。

3つ目は、赤い眼鏡をかけた女の子がかわいらしいデザインの「わんぱく天使のこほっとティー(Kids Breath Tea)」。お子さま向けのブレンドで、やわらかでフローラルな味わいです。

「木枯らしのこほっとティー(Cold Wind Tea)」は、秋冬向けのハーブティーですが、冷まして飲んでもおいしく飲めるとのこと。ゾネントア社では、ハーブティーの飲み方におすすめを決めずに、「お好みでどうぞ」がモットーなんだそう。ハチミツを混ぜてやさしい甘みを足してみたり、ミルクを足してマイルドにしたり、冷たくして飲んでみたり、その時の気分やお好みで、好きに飲んでほしいと言います。

ゾネントアからのメッセージ

セミナーの最後、ハンスさんが「会社の哲学を、このセミナーで知ってもらえたらうれしい」と言っていました。

おいしさの理由は何なのか
どこで、どんな人が作っているのか
どんな考えで作られているのか

メーカー側の考えを知る機会は、なかなかありません。
おいしさを届けるバトンをつないでいくために、こういったお話の場は有益だなと感じます。
また、どのように作っているかをオープンにできる会社であることに信頼を寄せることができると感じました。

丁寧に1時間ほどかけて、原料調達、生産工程、流通などのトレーサビリティーをしっかり伝えてくれたゾネントア社のセミナー。この伝えられるということ自体が「安心」につながり、お客さまをつかんで離さない理由にできているのだろうと思います。

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おもちゃ箱

世界の選りすぐりのオーガニックコスメ、オーガニックアロマ、オーガニック食品などをセレクトし、商品を通して自然とともにある暮らしを提案している「おもちゃ箱」。自然の力で心地よい暮らしを提案するアイテムを理解するために、バイヤー向けのセミナーや体験イベントなども行っています。原材料へのこだわり、生産過程の透明性など、どうやって作られているかも吟味したいバイヤーさまにおすすめの企業です。ぜひ商品をチェックしてみてください。