美容室の開業時、大事なポイントは「どこで開業するか」です。

「立地」や「物件」選びによって経営が大きく左右されるため、難しいと感じる方も少なくないと思います。今回は、美容室を開業する際の「出店立地・物件選びのコツ」についてご紹介します。

「現在働くサロン付近」か「利便性のよい大都市の駅周辺」での開業が多い

美容師が独立して自分のお店を開業する場所として一番多いのは「現在働いているサロンの周辺エリア」です。エリアが大きく変わらないことで自分の顧客を集客しやすいこと、また、顧客層や競合店の有無などエリアの情報把握がしやすいためです。
1つ注意点としては、前サロンと競合しないようにすることです。前サロンとの関係性を壊さないよう、同じエリアでも少し離れた場所に出店するなど配慮が必要です。

次に多いのは「利便性のよい大都市の駅周辺」での出店です。利便性のよい大都市の駅周辺は人が多く集まるため、ターゲットとなる顧客も多く、集客がしやすいためです。さらに駅から近い物件を選ぶことで、顧客の利便性を高めることができます。一方、競合店が多くいたり、賃料が高いなどのデメリットがあります。

場所を決定する前にチェックしておきたい立地選びのポイント

現在働いているサロンの周辺エリアや利便性のよい大都市の駅周辺を選ぶ人が多い開業立地ですが、場所を決定してしまう前に必ずチェックしておきたいポイントがあります。ここでは押さえておきたい立地選びのポイントをご紹介します。

1.自分のお店のコンセプトに合った立地を選ぶ

なにより大事なのは「お店のコンセプトに合った立地を選ぶ」ということです。例えば、サロンに来てほしいターゲットを『20代~30代のOL女性』と設定したとして、立地が住宅街だったとしたら設定したターゲット層の獲得が難しくなります。必ずお店のコンセプトと立地のミスマッチがないかを確認するようにしましょう。

2.エリアの調査を行う

美容室を開業するにあたって、開業するエリアの特性や人の流れ、競合店の有無などを調査、把握することは必要です。どの時間帯にどんな人が多くいて、どのような動きをしているのか、またどんな競合店がいるのかなどを把握することで、営業時間や料金設定、競合店との差別化の施策などを決めるのことにも役立ちます。自分たちの美容室がどのようなターゲット層を想定しているのかを踏まえ、周辺環境や顧客層を考慮して立地を選びましょう。

3. 物件の規模を考慮する

美容室の規模は想定する顧客数によって異なります。また、スタッフの数や施術チェアの数にも影響します。大きな店舗にしたい場合はコスト面を考えても郊外や駅から少し離れたエリアなどを考えたほうがよいでしょう。

4. 交通アクセスの良さを確認する

美容室を利用するお客様の利便性を考慮すると、交通アクセスの良さは重要です。駅近くや、バス停の近く、また車で来店される場合は物件に駐車場があるかどうか、または近辺にパーキングがあるかなどをチェックしておきましょう。

5. 防犯面を考慮する

物件周辺の安全性も確認する必要があります。特に、夜間の営業を行う場合や、女性スタッフが多い場合は、治安のよい地域にするなど安全性もチェックしましょう。

テナント、自宅サロン、シェアサロン、どれを選ぶ?メリット・デメリットを解説

美容室の出店スタイルは、テナントを借りるか、自宅の一部をサロンとして利用するか、最近注目されているシェアサロンを利用するという形もあります。どの出店スタイルが適しているかは、開業者の経営方針や条件によって異なります。以下に、それぞれの出店スタイルのメリットとデメリットをご紹介します。

テナント物件を借りる

テナント選びには「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2種類があります。「居抜き物件」は設備や備品はそのまま、または一部を残した状態で借りることができる物件のこと。「スケルトン物件」とは設備や備品などが何もないまっさらな状態の物件のことです。

「居抜き物件」のメリットとしては、既に設備が揃っているので設備費用を抑えられることと、開業期間も短くできる点があります。デメリットとしては自由に内装を決められなかったり、好みの備品を使用できない点です。

「スケルトン物件」のメリットは自由に自分の理想とするサロンの内装にできる点で、デメリットとしては、内装費や備品などコストがかかったり、開業までの期間も長くなることです。

自宅の一部をサロンとして開業

自宅のため通勤時間がかからないことや賃料がかからないことから家事や育児との両立がしやすいこととコスト面でのメリットがあります。デメリットとしてはお客様に自宅の場所を知られるなどの防犯面や仕事とプライベートのオンオフが切り替えにくくなること、賃料のコストはかからないとしても改装など少なからず最初の設備投資が必要となることがあります。

また、注意点としては美容室は広さや換気設備の有無など保健所が指定するいくつかの基準を満たす必要があります。その基準をきちんとクリアできるのかが重要です。

最近注目を集めるシェアサロン

あえて働く場所を固定しない方法として、シェアサロンの利用があります。昨今、働き方の多様化にともなって増えているのが特定の美容室に所属せずに働く「フリーランス美容師」。それに伴いシェアサロンの利用が増えています。シェアサロンとは、フリーランス美容師にセット面や設備を貸し出す施設のことで、複数の美容師でシェアする形態をとっています。メリットとしては開業時の資金や時間がかからずすぐに独立、働くことができる点。賃料や光熱費などのランニングコストを節約できる点、さまざまな美容師が集まることで刺激や技術の共有ができる点があります。デメリットとしては収入が安定しない点や施設を共有するため施設予約や時間割などの調整が必要となる点があります。

どんな物件を選んでもメリット・デメリットはあるのでしっかり検討したうえで決めることが重要です。

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