京都といえば日本の古都でありさまざまな寺社仏閣が集まる観光名所というイメージがありますが、実は京都府内にはひとつだけ活火山が存在することを知っていますか。

宝山(田倉山)と呼ばれる京都唯一の活火山のふもとには、火山灰が堆積して作られた夜久野高原が広がっており、その標高は300m〜500mほど。

昼夜の気温差が大きく、よく霧が発生するといった特徴をもつ夜久野高原は、蕎麦を育てる土地として最適な要素を持ち合わせています。

今回は夜久野高原で育った蕎麦の実から作られた商品を、実際に作って食べてみた感想とともにご紹介していきます。

そば宝

まずご紹介するのは「そば宝

夜久野高原で育った蕎麦の実を皮ごと挽いたそば粉を使用しているのが特徴の商品です。

乾麺タイプで1袋に2人前がまとめて入っており、小分けなどは特にされていません。

1人前を作りたいときはざっくり半分に分けてから茹でましょう。

お召し上がり方

出来るだけ大きなお鍋でお湯を沸騰させ(約2リットル)広げるように麺を入れたあと、麺と麺がくっつかないように菜箸などでほぐします。

お湯がふきこぼれないように火を調節し、5〜6分程湯がいてください。

湯がいたあとすぐにザルに移し、冷水でぬめりを取ります。

ざるそばの場合はせいろなどのお皿に盛り付け、お好みの薬味を用意して添付のつゆ(25ml)を水またはお湯で4倍(75ml)に薄めて出来上がりです。

かけそばの場合は丼などに盛付け、添付のつゆ(25ml)を水またはお湯で10倍(225ml)に薄めて麺にかけ、お好みの具材を盛り付けて出来上がりです。

作って食べてみた

茹でたお蕎麦を盛り付け、付属のつゆをお水で割ったら準備完了。

今回はざるそばにしてみました。

さっそく食べてみましょう。

普段食べているお蕎麦だとあまり気にしないのですが、よく見てみると平麺のような形状をしているんですね。

噛みしめるたびに鼻から抜けるお蕎麦の香りが強く感じられます。

歯ごたえがあるので一口ごとに非常に食べごたえが感じられる点が印象的でした。

個人的にお蕎麦って立ち食い蕎麦などのようにサクッと食べられるイメージがあったのですが、こちらの蕎麦はすするたびに香りが楽しめることもあって1人前でも十分満腹感が得られました。

もちろん薬味との相性もバッチリ。

王道ではありますが、海苔とねぎを合わせるとより美味しく召し上がれると思います。

半なま 京蕎麦 丹波ノ霧

次にご紹介する商品は「半なま 京蕎麦 丹波ノ霧

個人的に非常に気になっていた半生麺です。

半生というだけでなく、夜久野産の蕎麦の実を砕いたものが直接麺に練り込まれている点が特徴的。

今までお家で食べる蕎麦は乾麺でしか食べたことがなかった私。

まさか自宅で半生麺が楽しめるとは思わず少し浮足立っています。

わっぱ状の容器を開けてみると、中には1人前ごとに分けられた半生麺と専用のつゆが入っています。

容器からこだわりが見える商品って中に入っているものへの期待を膨らませてくれるので、すごくワクワクしてくるのは私だけでしょうか。

期待に胸膨らませ、早速お蕎麦を茹でていきましょう。

お召し上がり方

沸騰したお湯(1人前あたり約1リットル)に麺を入れ、吹きこぼれないように火加減に注意しながら約4~5分程お好みの硬さまで茹でてください。

茹で終わった後はザルに取り上げ水洗いし、ぬめりを取ってよく水を切りましょう。

温かい蕎麦の場合は、お湯で温めたあとよく湯切りをしてお召し上がりください。

つゆの希釈率は1袋25mlに対して、つけつゆの場合は4倍(水またはお湯75ml)、だしつゆの場合は10倍(水またはお湯225ml)となります。

作って食べてみた

できあがったものがこちら。

早速実食です。

口に入れると、乾麺にはないもちもち感と歯ごたえ。そして噛むたびにほのかに香る蕎麦の香り。

半生麺と乾麺ってここまで変わるんだと衝撃を受けました。

これから自宅で食べるお蕎麦は、全部半生麺でお願いしようと思います。

この写真、よーく見てみると麺に黒い粒状のものが入っているのがわかりますでしょうか。これが先ほどご説明した蕎麦の実です。

粗挽きのそば殻が麺全体に散りばめられており、特徴的な食感が楽しめるのも丹波ノ霧の特徴ですね。

半生麺のもちもち感とそば殻の食感が合わさることで今まで食べていたお蕎麦のイメージが一新されました。

少し注意したいのが、他の商品に比べると賞味期限が短いところ。

半生麺なので仕方ないですね。

とはいえ1ヶ月そこそこで賞味期限を迎えるような商品ではないので、プレゼントとして購入する場合に少しだけ気をつける程度ですからさほど問題ではないでしょう。

京そば素麺 夜久野かすみ

素麺といえば小麦粉・塩・水で作られる夏の定番食材ですが、「京そば素麺 夜久野かすみ」は一般的な素麺の素材に蕎麦粉を追加した珍しい一品です。

商品の説明を見ると良質な蕎麦粉と国産小麦粉、塩のみで製麺された純国産の極細麺とのこと。

1人前(80g)ずつ分けられた素麺は、見た目からなんとも上品な雰囲気が漂いますね。

お召し上がり方

沸騰したお湯(1人前あたり約1リットル)に麺を入れ、吹きこぼれないように火加減に注意しながら約4~5分程お好みの硬さになるまで茹でたあとざるに取り上げ水洗いし、ぬめりを取ってよく水を切ってください。

温かい蕎麦の場合は、お湯で温めてからよく湯切りをしてお召し上がりください。

つゆの希釈率は1袋25mlに対して、つけつゆの場合は4倍(水またはお湯75ml)、だしつゆの場合は10倍(水またはお湯225ml)となります。

作って食べてみた

茹で上がってお皿に盛り付けた様子がこちら。

わさびやネギなどの薬味も忘れずに用意していざ実食です。

食べてみると、極細麺なので本当に素麺に近い感覚です。

目を瞑って食べたら素麺と勘違いしちゃうかもしれないくらい。

ただ、蕎麦粉を加えて作られているだけあってほんのりとお蕎麦の香りがします。

逆に言えば、他のお蕎麦に比べるとこれはかなりあっさりした風味だなと感じました。

お蕎麦の食感は残しつつ、素麺のようにスルスル入ってきて喉越し最高。

これは本当に食べやすい。

もはや軽食と言っても過言ではないくらいさらっと喉を通っていく感覚は今までにない体験でした。

夏になったら2日に1回は食べたくなりそうです。

先ほどの京そば素麺を完食したあと、私はあることを思いつきます。

「極細麺だから温かくすればにゅう麺みたいに柔らかくなってさらに食べやすくなるんじゃないか……?」

思いついたときにはすでに新しいお湯を沸かしていました。

ということで新たに作った温かい京そば素麺がこちら。

余談ですが、ネギをたっぷりかけているのは私の好みです。

説明書のとおりに付属の麺つゆを薄めてみたのですが、個人的にはちょっと薄いかなと感じました。

お好みに合わせて調節してくださいね。

実際に食べてみると、冷やしたときに比べて少し麺が柔らかくなってこれがまたいいんですね。

体調があまり優れないときでも食べられそうな、やさしい味に仕上がってほっこりした気持ちになります。

七味をかけて味変させるのもおすすめですよ。

霧ノ蕎麦茶

お蕎麦屋さんへ行くとよく見かける蕎麦茶。

霧ノ蕎麦茶」はご自宅で手軽にパックで蕎麦茶を淹れることができる一品です。

袋からティーパックを出すと、蕎麦の実の良い香りが広がります。

水出しとお湯出しのどちらにも対応しているのですが、今回は冷たい蕎麦茶をつくってみました。

お召し上がり方

水出しの場合、水500mlに対してティーバッグを1袋入れて、冷蔵庫で一晩ほど冷やしてからよく混ぜてください。

今回は1リットルのボトルを使用したので2袋使用しました。

温かい蕎麦茶が作りたい場合は急須などにティーバッグ1袋を入れて300mlのお湯を注ぎ、3分〜5分程抽出してよく混ぜてください。

作って飲んでみた

冷蔵庫に入れて24時間経過したものがこちら。

思ったより色が薄い……?

本当に出来上がっているのか不安になる色味なんですが大丈夫なんでしょうか。

下の方に沈殿していそうだったのでしっかり混ぜてみると全体的に均一な色味になりました。

出来上がったあとに混ぜてくださいと説明書に記されていたのはこのためだったんですね。

説明書はきちんと読みましょう。

飲んでみると、その薄い色味からは想像できないほどしっかりとしたそば粉の香ばしさがあります。

お蕎麦屋さん以外で蕎麦茶を飲む機会がなかったので、見た目だけだときちんと抽出されているのか不安だったのですが、はっきりとした味と香りを感じて驚きと安心を覚えました。

ダイレクトに感じる蕎麦の香りは、麦茶を超える爽やかさを感じます。

これは夏の暑さにぴったりな一杯になりそうですね。

玄蕎麦ごはん

みなさんは「蕎麦の実ごはん」って食べたことありますか?

蕎麦の実とお米を混ぜて一緒に炊き込むと美味しいらしいんですよ。

夜久野高原で育った蕎麦の実を使った「玄蕎麦ごはん」もそのひとつ。

我が家では普段から十五穀米を混ぜてお米を食べる習慣があるので、蕎麦の実を混ぜることに対して特に違和感はないのですがお味の方はどうでしょう。

実際に食べてみたいと思います。

お召し上がり方

まずは白米を研いでいつもと同じようにお水を入れてください。

そこに蕎麦の実と水を加えていつも通り炊飯すれば完成です。

量の目安は白米1合に対して蕎麦の実15gと水20mlを追加することとなっていますが、あくまでも目安なので蕎麦の実と水の分量はお好みで調整してOK。

お好みで塩を振って召し上がると蕎麦の実が引き立つそうです。

蕎麦の実だけを茹でてサラダのトッピングなどに使うのもおすすめとのことですよ。

作って食べてみた

炊飯器をあけると蕎麦の香りが湯気と共にふんわり優しく香ります。

炊く前と比べると、蕎麦の実はやや黄色みがかかった炊き上がりですね。

さてお味はどうでしょうか。

炊き上げたことで蕎麦の香りが強くなるかと思っていたのですが、意外にも白米と非常に馴染む味わい。

鼻から抜ける香りで蕎麦をほんのりと感じます。

食感についても見た目だけだとプチプチと主張してきそうな印象ですが、全くそんなことありません。

蕎麦の実が変に主張せずあくまでも脇役として白米を引き立ててくれているので、いつもの白米がさらに美味しく仕上がったように感じます。

低GIである蕎麦の実を白米に混ぜることでカロリーコントロールもできるので、体型を気にしはじめた方にもおすすめですね。

上質な蕎麦の実を使った商品を食べて、美味しくてヘルシーな食生活を

実は今回のレビュー記事を書くためにすべての商品を1人前ずつつくって夫婦で食べていたのですが、食べているうちに止まらなくなってしまい撮影中に新しいお蕎麦を茹でてすすっていました。

美味しいので仕方がないですね。

妻としても「茹でるだけで出来上がるうえに香り高い食事が提供できるのでラクできてありがたい」と言っており、その言葉に甘えて今では毎日のようにお蕎麦を食べています。

今回ご紹介した夜久野高原の蕎麦の実は、幅広いラインナップへと商品化されています。

お蕎麦が好きで自宅でも美味しいお蕎麦が食べたい方には、今回ご紹介したお蕎麦を食べて味・香り・食感で楽しんでいただきたいですね。

一方で普段からファストフードやラーメンなど脂っこいものを選んでしまう方や、体型が気になって食生活の見直しをしようと思っている方も、ぜひいつもの食事に夜久野高原のお蕎麦を加えていただき、健康的かつ美味しい食生活を送ってみてはいかがでしょうか。

(文・写真:渡辺智行)