京都市東山区にあるゲストハウスの京アンスイン。こちらは民家を改造したオーナー家族滞在型の小さなホテルです。お部屋はファミリー用の和洋室が1室とツインルームが2室の計3室のみですが、モダンなインテリアや細部にわたるおもてなしがゲストに好評で、国内外から多くの方が訪れています。今回は、未経験ながらも家族でゲストハウスをオープンした経緯や、京アンスインならではのこだわりをうかがってきました。
目次
祖父母の自宅を改造してゲストハウスをオープン
京アンスインは京都駅から車で5分ほどの場所にあります。観光名所としても人気の三十三間堂や京都国立博物館などが徒歩圏内にあり、祇園にも最寄駅から3分ほどで行けるなど、京都観光にはとても便利な立地です。
こちらのゲストハウスは、2018年にオーナー家族滞在型のホテルとしてオープンしました。周辺には一棟貸しの民泊ホテルなども多い中、京アンスインでは家族が同じ建物内に暮らしながら宿泊者のおもてなしをしています。もともとはオーナーの祖父母の家がある場所でしたが、それを3階建てにリフォームし、1階と2階の半分をゲストハウスに、3階にオーナー家族が住む形となっています。
(玄関を入るとすぐ左手にフロントが。そして階段の踊り場には京都らしいインテリアや宿の名前の由来になっているアンスリウムが飾ってあります。)
ゲストハウスを開いたきっかけには、オーナーのお母様の想いがありました。
「近くには京都女子大学があって、昔から下宿屋が多い場所だったんです。私が若い頃もたくさんの学生さんがおられましたし、当時は下宿屋のおかみさんになりたいなぁ、なんて気持ちがありました。今の自宅をリフォームする際にその頃の想いを思い出し、近くに民泊が増えたこともあってせっかくだから家族で何かできないかな、と思ったのがきっかけなんです。」
お母様の想いをきっかけに、オーナーの可知さんが海外留学していた経験もあることから、家族で国内外のお客さんに向けたゲストハウスを開くことになりました。
オーナー家族滞在型だからこそのおもてなしと交流で差別化
家族でゲストハウスを運営することにしたものの、宿泊施設での業務経験は誰もありませんでした。そこで、様々なホテルや宿などに泊まりに行ったり商工会議所に相談に行ったりしながら、時に「経験がないのに上手くいきませんよ」などと厳しい意見を言われることもあったそうですが、京アンスインならではのサービスを自分たちで一から考えて作ってきました。
「ちょうど民泊ブームの最中だったので、近隣にはたくさんの施設ができていました。私たちは後発組になりますし、部屋数も少ないので何か違いを出していこうと考え、自宅兼ゲストハウスをいう環境を活かしたおもてなしをしていこうと考えました。」
例えば海外のお客さんが宿泊された際、ティータイムを設けてほかのゲストと交流できる機会を設けたり、お正月にはお雑煮やお節料理を振舞ったり、逆にゲストに母国のスイーツなどを作ってもらったりすることもあるそうです。
また、オーナーの可知さんは長年生け花を習っていることから、ゲストハウス内で生け花体験のサービスも提供しています。
「以前海外で働いていた際に現地の方に日本の文化を伝える仕事をしていたこともあり、ここでもそういったことをしたいなと考えていました。生け花以外にも、例えばある年末には一人でお越しになられたお客様が、京都ならではの年越しをしたいとおっしゃったので、家族で昔から行く寺院を訪れて一緒に除夜の鐘をつく体験などもしていただきました。」
こういった交流やおもてなしが評判になり、一度訪れたゲストが友達や家族を連れてリピートすることも少なくないそうです。
「ホームステイとして滞在されていた方が友達と泊まりにきてくれて、その次には家族全員を連れて宿を貸し切りにしてくれたこともありました。ゲストハウスをオープンした時はお客さまとこんなに交流できるとは思ってもいなかったのですが、今は家族みんな、想像以上に楽しいなと感じています。」
オーナー家族滞在だからこそ何かあった時も要望に応えたり、細かい気遣いなどができるのがメリットの一つでもありますが、逆にオーナー家族にとっても、宿泊者との交流がゲストハウスを運営する醍醐味になっているようです。
小さなスペースも活かせるインテリアの工夫
京アンスインはセミダブルベッドが4台の和洋室と、ツインルームが2部屋あります。和洋室には掘りごたつ式の和室スペースもあり、小さいながらも和を感じられる庭を眺めることもでき、家族連れには好評のファミリールームとなっています。お風呂も専用で使えるようになっており、広々としてスペースが人気です。
2つのツインルームはそれぞれインテリアの趣が異なり、予約時に宿泊者が選べるようになっています。どちらもコンパクトながらも、収納やインテリアに工夫があり快適に過ごせる仕様になっています。
「ツインルームは地中海をテーマに石材を壁に使ったインテリアの部屋と、ボタニカル柄が印象的なウィリアムモリスの壁紙を使った部屋の2種類です。部屋を作るときに設計士さんと相談しながら作ったのですが、どちらも趣がまったく違うぶん、お客様にとってはそれが選ぶ楽しさになっているようです。女性のお客様にはウィリアムモリスのお部屋が結構人気ですよ。」
「ツインルームは部屋が広くないので、できるだけ手狭にならないように家具選びはサイズにこだわりました。ちょっとした収納もつり棚などを使ってまとめるようにしています。」
(左のウォールシェルフにはティーカップのセットなどを収納。ウィリアムモリス柄のアイテムは独自の世界観が人気で、スーパーデリバリーでもファブリックやステーショナリーのアイテムが揃っています。)
ゲストハウスを開業する際にスーパーデリバリーのことを知り、家具などインテリア商材を中心に備品を揃えてきたそうですが、その後もホテル内で使用するバス用品やアメニティグッズ、ディフューザーなどのインテリア用品などの仕入れに活用されています。
(ビューアアロマシャンプーもスーパーデリバリーで調達。)
集客を兼ねてオンライン英会話レッスンをスタート
現在はコロナウィルスの影響もあり訪日観光客の宿泊はほとんどない状況ですが、代わりに国内のお客様や、今の時期は受験生の宿泊もあるそうです。また、成人の日にはすぐそばの三十三間堂で「通し矢」も開催されるため、それに出る方も利用されています。
これまでとは客層が変わっていますが、いずれまた訪日観光客の宿泊者に足を運んでもらえるよう、京アンスインでは独自のオンライン英会話レッスンを開始しました。
「『京都英語メイト』というオンラインでの英会話レッスンをスタートしました。フィリピン人講師の方と英会話が勉強できるサービスです。この京都英語メイトに加入いただくことで、ゲストハウスの宿泊費がお安くなる特典を用意したので、ゆくゆくは英語を学びながらゲストハウスで海外の方と交流したり、ゲスト同士で交流していただければなと考えています。」
京都市内でも数多くの民泊事業が姿を減らしている中、オーナー家族のおもてなしが評判の京アンスインでは、きめ細かなサービスや独自のアイデアなど日々模索ながらも新たなお客様を迎える用意をしています。
宿泊者の国によってはマナーやルールが異なるため、大変なことや驚くことも数多くあるとのことでしたが、様々な国の方とのエピソードをとても楽しく語ってくださるオーナーやお母様の姿は印象的でした。
オーナー家族の人柄も含め、思わず「ただいま」と言いたくなるような居心地の良い京アンスインの空間に、今度はぜひプライベートで訪れたいと思うゲストハウスでした。
京アンスイン
〒605-0981 京都市東山区本町7丁目19
TEL:075-746-5277
ホームページ:https://kyoanthuinn.com/
オンライン英会話レッスン:京都英語メイト
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