
みなさまの日々のご商売の中で、「今日は暑いから接触冷感素材のお洋服がよく売れた」「夏日が増えてきた影響なのか、ひんやりグッズがよく売れるようになってきた」「雨の日はおうちグッズが動いた」「雨の日は肌寒さを感じるのかカーディガンなど羽織ものがよく動いた」といった経験はありませんか?
実は、天候や気温の変化は、お客様の購買行動に大きく影響しています。
最近では、こうした気象情報を積極的に活用し、売上や在庫の効率を高める「ウェザーマーチャンダイジング」という考え方が注目されています。
本記事では、小売・アパレル・雑貨・インテリア業界のみなさまに向けて、天気を味方につけるための基本的な考え方や、すぐに現場で実践できる具体的なアイデア、そして実際の成功事例まで、分かりやすくご紹介します。毎日の売場づくりや商品提案の参考に、ぜひお役立てください。
目次
ウェザーマーチャンダイジングとは?
ウェザーマーチャンダイジングとは、天気や気温などの気象データを活用して、商品の仕入れや販促、在庫管理をより最適に行うマーケティング手法です。
たとえば、「気温が25℃を超えるとアイスが売れ始める」「32℃を超えると氷菓が一気に動く」といった“気象と売上の関係”を、データや天気予報をもとに読み解き、現場の判断や施策に反映していきます。
この取り組みは、売上アップだけでなく、在庫ロスや食品ロスの削減、広告効果の向上にもつながります。
「天気は変えられませんが、天気に合わせてお店の工夫はできる」
そんな前向きな発想が、今、多くの商売の現場で成果を生み出しています。
小売業における天気と売上の関係を知ることから始めましょう
お客様の購買行動は、天候や気温の変化にとても敏感です。
たとえば、急に暑くなった日には接触冷感素材のお洋服や扇風機がよく売れ、雨の日には傘やレインコート、室内で過ごすための雑貨やインテリアが動きます。
また、「前日より急に気温が下がった」「今日は特別に寒い」といった“相対的な気温の変化”にも、お客様は敏感に反応します。
食器メーカーの話では「平均気温が15℃を下回ると食器がよく売れるようになる」というお話も聞いたりする通り、例えば9月中旬に気温が急落した日にシチューや鍋つゆが急激に売れたというスーパーマーケットの事例もあります。
これは「今日は温かいものが食べたい」という消費者心理を的確に捉えた結果です。衣食住にまつわることは、天候や気温の変化に消費心理(消費マインド)や行動も反映されていきます。
このように、天気や気温と売上の関係を日々意識し、データや現場の声を活かしていくことが、ウェザーマーチャンダイジングの第一歩です。
業界別・天候別の実践アイデア集
天候別に小売業のみなさまのヒントになる実践アイデアをまとめてみました。参考にしてください。
晴天の日:外向きの気分がアップする前向きな提案がおすすめ

晴れた日は、お出かけやレジャーを楽しみたい気分になるお客様が多くなります。
そんなときは、外での活動やお出かけを後押しする商品提案が効果的です。
お出かけ応援コーデ・ピクニック雑貨フェア
マネキンやディスプレイで晴れの日のお出かけコーデを提案したり、ピクニックグッズやアウトドア雑貨を入口や窓際に展開しましょう。「今日着て、すぐにお出かけしたいぐらい!」「そうそうこれが欲しかったんだよね」と前向きに感じていただけるような演出がポイントです。
ガーデニング・ベランピングフェア
ガーデンチェアやラグ、屋外用クッションなどを「おうちでアウトドア気分」として訴求します。
ベランダやお庭で過ごす時間を楽しむご提案は、幅広いお客様に響きます。
洗濯が楽しくなるような提案「洗濯日和フェア」
洗濯グッズやランドリーバッグ、室内干しアイテムを「洗濯日和セット」としてまとめて販売するのもおすすめです。販促POPやSNSで「今日は洗濯日和!」と発信すると、日常生活に寄り添った提案として共感を得やすくなります。
雨の日:リラックスできる・快適・内向きな提案がおすすめ

雨の日は、どうしても外出が億劫になり、来店客数が減る傾向があります。
しかし、「雨の日だからこそ欲しくなる商品」や「おうち時間を快適に過ごすアイテム」を提案することで、来店動機や購買意欲を高めることができます。
雨の日も快適&おしゃれなコーデセット販売
防水スニーカーや撥水バッグ、レインコート、折りたたみ傘などを「雨の日キット」としてセット割引。
マネキンに雨の日コーデを着せてSNSでも発信すると、お客様が「自分もこのまま着て帰りたい」と思えるような提案になります。
雨の日限定ポイントアップ・クーポン
雨の日にご来店くださったお客様には、ポイント2倍や割引クーポンを配布しましょう。
SNSやメールで「雨の日限定特典」を告知することで、来店のきっかけづくりにもなります。
おうち時間が充実するグッズフェア
読書灯やアロマディフューザー、ルームウェア、パズルやボードゲームなど、「おうちで快適に過ごす」ためのアイテムをまとめて特集しましょう。
お客様の「今日は家でゆっくりしようかな」という気分に寄り添った提案が大切です。
猛暑・真夏日:涼を感じたいお客様のキモチに寄り添った提案を

真夏の厳しい暑さには、涼しさや快適さを感じられる商品や、暑さ対策グッズが一気に人気となります。
涼感アイテムの打ち出し
接触冷感のお洋服や小物、ひんやりクッション、扇風機、冷感ブランケットなどを入口や特設コーナーに展開しましょう。実際に触って“ひんやり”感を体験できるようにすると、購買意欲が高まります。
サングラス・帽子・日傘の特集
紫外線対策グッズや日焼け止め、UVカット雑貨もクロス展開し、販促POPやSNSで「紫外線対策はお早めに!」と訴求しましょう。
気温連動割引(猛暑割)
気温が35℃を超えた日には、「冷感グッズ10%OFF」など、天気アプリや店頭の温度計と連動した特別割引を実施してみてはいかがでしょうか。
店内で「涼」を演出
店内BGMを涼しげなものに変えたり、冷たいおしぼりやドリンクのサービス、うちわの配布など、体験型のサービスもお客様の満足度アップにつながります。
寒波・冬日:心も体もあたたまる提案をしよう

寒い日には、あたたかさや快適さを提供できる商品が求められます。
お客様の「寒いから今日は家でゆっくりしたい」「あたたかいものに包まれたい」という気持ちに寄り添いましょう。
あったかグッズの前面展開
ブランケットやルームシューズ、加湿器、湯たんぽ、もこもこ素材のパジャマやインナーなど、体を温めたり、室内を快適にするアイテムを入口やレジ前に配置しましょう。
おうちカフェ・冬ごもり提案
マグカップやティーポット、キャンドル、読書グッズなど、冬の室内時間を楽しく過ごせるアイテムをセットで提案します。「おうちカフェセット」や「冬ごもりグッズ」としてまとめると、ギフト需要にもつながります。
冬小物・重ね着コーデの提案
マフラーや手袋、レッグウォーマー、重ね着用インナーなどを「重ね着コーデ」としてセット販売しましょう。マネキンを使って実際の着こなしを見せると、お客様のイメージも膨らみやすくなります。
寒波到来時の緊急販促
急な寒波が予想される日は、SNSやメールで「今週末は寒波!あったかグッズを揃えよう」と即時発信しましょう。
天気予報と連動した情報発信は、お客様の購買行動を後押しします。
台風・大雨・異常気象:お客様に寄り添ったお役立ちの提案を心がけよう

台風や大雨などの異常気象時は、外出が難しくなる一方で、「備え」や「おうち時間の充実」がキーワードになります。こんな時は、お客様に寄り添うことを意識しながら、お役に立てる提案を心掛けていきましょう。
防災・備え特集
懐中電灯や乾電池、簡易ラジオ、保存食、ウォータージャグなどの防災雑貨を目立つ場所に展開しましょう。
普段は意識しにくい防災グッズも、天気予報と連動して訴求することで「今のうちに準備しよう」という気持ちを喚起できます。
おうち快適キャンペーン
台風や大雨予報時には、「おうち時間充実」グッズやインテリアのセット割引を実施するのもおすすめです。
家で過ごす時間を快適にする提案は、幅広いお客様に喜ばれます。
オンライン限定サービス
悪天候で来店が難しい日は、ECサイト限定クーポンや送料無料キャンペーンを実施しましょう。自宅にいながら買い物を楽しめるサービスは、リピーター獲得にもつながります。
季節外れの気候にも柔軟に対応しましょう
近年は、季節外れの暖かさや冷え込みも珍しくありません。そうした時期には、柔軟な商品提案が求められます。
季節逆転コーデ・雑貨の提案
冬の暖かい日には「春先取りコーデ」や新作雑貨を先行展開し、夏の肌寒い日には軽い羽織やブランケットを提案しましょう。このように、お客様の「今の気分」にぴったり合う提案が、信頼やリピートにつながります。
ウェザーマーチャンダイジングの実践のコツとポイント

週間天気予報を販促カレンダーに組み込む
1週間先の天気予報をもとに、売場や仕入れ計画を調整しましょう。
スタッフ同士で「今週はどんな気候?」「どの商品を前に出そうか」と相談する習慣をつけると、現場力が高まります。
気象データと販売実績の分析
過去の売上と気象条件を照らし合わせて「売れ筋カレンダー」を作成し、販促計画に活用しましょう。
例えば「雨の日はこの雑貨がよく売れる」「猛暑日はこの服が動く」といった自店ならではの傾向を知ることで、より精度の高い販促が可能になります。
SNSや店頭でのタイムリーな情報発信
天気や気温に合わせたコーディネートやインテリア提案をSNSで発信し、話題性や来店動機を高めましょう。リアルタイムな情報発信は、お客様との距離を縮める大きな武器です。
ウェザーマーチャンダイジングを行う上でよくあるご質問
Q. どのくらいの頻度で売場を変えればいいですか?
A. 週間天気予報を参考に、週1回程度の見直しが理想です。ただし、急な天候変化が予想される場合は、臨機応変に対応できるよう準備しておくと安心です。
Q. SNSでの発信はどんな内容が効果的ですか?
A. 「今日の天気にぴったりなコーデ」「雨の日限定クーポン」など、天気と連動したタイムリーな情報が共感されやすいです。お客様の「今の気分」に寄り添う内容を心がけましょう。
Q. 気象データはどこで入手できますか?
A. 気象庁やウェザーニュースなどの公式サイトで、無料で地域ごとの天気予報や気温データをチェックできます。スマートフォンの天気アプリも便利ですので、スタッフ全員で情報を共有すると良いでしょう。
天候にあわせて「お客様に寄り添った」提案をしてみよう
天候や気温の変化を味方につけることで、日々の売場や販促がより魅力的になり、売上や在庫効率の向上につながります。
「今日はどんな気分のお客様が多いかな?」と想像しながら、タイムリーな提案やサービスを心がけてみてください。
気象データとお客様の声を活かし、自店ならではのウェザーマーチャンダイジングを、ぜひ現場で実践していただければ嬉しいです。
天候に合わせて楽しく仕入れができる「スーパーデリバリー」で販促アイテムを探してみよう
お洋服にファッション小物、かわいい雑貨に食器、インテリアまで!あなたの事業やお店を彩る商品がたくさんそろっています!店舗販促品やお店づくりには欠かせない…こだわり派の店舗什器・備品まで、まとめてスーパーデリバリーにお任せください!
─卸・仕入れサイトスーパーデリバリーとは─
https://www.superdelivery.com/
店舗物件がお決まりの実店舗様は、開業前からご入会いただけます。
― 開業準備中の方のご入会について ―
https://www.superdelivery.com/p/contents/open-business/open-business.jsp