先日、兵庫県の摂津本山にある発酵デリカフェ「hakko matsuda slow food okamoto(ハッコウ マツダ スローフード オカモト)」にて、スーパーデリバリーの会員事業者さんを招いたリアルイベントを開催しました。

松田さんには以前オンラインでもカフェでの物販の始め方など経験談をお話をしていただきましたが、内容が好評だったこともあり、今回は松田さんの店舗にてカフェで物販をはじめた経緯や取り扱っている商品、お店のリピーターを増やすファン作りの取り組みなどを語るイベントを開催しました。

イベントには食品店や雑貨店の方など5名の方に参加いただきました。

「ほかの店舗がどういった商品を扱っているのか知りたくて・・」「これからお店を開く予定だけどこういった話を相談できる人もいないので、参加してみました」「今後の事業展開のために聞きたくてきました」といった理由でお越しいただいたのですが、一人でお店を運営されている方は特に、こういった話を聞いたり話せる人があまり周りにはいない・・ということをよく耳にします。

それもあってか当日は松田さんのお話はもちろんのこと、参加された事業者同士も会話が弾んでおすすめ商品や店舗のメニュー、使っている調理器具などにも話が及び、予定時間を超えた盛り上がりとなりました。その様子をお届けします。

「ワンオペこそ物販!」

まずはカフェや飲食店などで物販をするメリットについて伺いました。

以前にくらべてカフェやレストランなど、飲食店でも物販を取り入れるお店が増えていますが、松田さんのお店でもオープンした当初からレジ周りで食品やお菓子を販売していました。その後お客様の反応をみて商品が増え、今ではお店の3分の1ほどは物販スペースになっています。

物販を取り入れて拡大している背景について松田さんいわく、「ワンオペこそ物販!」とのこと。

一人で店舗を回すには限界がありますが、物販をすることでそれがフォローできるというメリットがあるとのこと。例えばドリンクや料理を作っている間、お店の中で買い物ができるとお客様の時間つぶしにもなり、ついで買いの効果も狙えます。

またカフェなどの飲食店の場合、客単価も2,000円ほどが平均と言われています。ワンオペだとメニューを増やすのも厳しいですが、物販を取り入れることでそれもカバーできるのも物販を始めるメリットの一つです。

松田さんは物販の商品を通じてお客様との会話も弾むようで、そこからまた商品の提案にも繋がっているのだとか。

(レジ周りではお味噌の量り売りも。こういう販売もお客様との会話が生まれやすいですね)

選ぶポイントは「小さい」「軽い」「パッケージが良い!」

物販を始めようかなという時に「何を扱えばいいのだろう?」という悩みも出てきますよね。今回参加された方々も「何が売れるのかな?」「どういう基準で選んでいるの?」といったところに関心があるようでした。

松田さんもオープン当初は「自分が日頃から食べているものや料理に使っているもの」を中心に扱い始めたそうです。やはりお客様に勧めるうえでも「自分がいいな、美味しいなと思ったものじゃないと提案できない」ということで、まずは馴染みのあるものをスーパーデリバリーで探したとのこと。

(人気のココナッツオイルも一包ずつ入っているタイプだと使いやすくプレゼントしやすいと好評です)

写真にある通り棚には数多くのアイテムが並んでいますが、仕入れるときのポイントがあるそう。それは「小さい」「軽い」「パッケージが良い!」の3つです。

「小さくて軽い」ことでカバンに入れて持ち帰りしやすく、ちょっとしたプレゼントにも使えます。初めて見る商品でも”ちょっと試してみようかな″と手が伸びやすい効果も。上の写真の商品もまさに手軽なサイズでお試しにもぴったりです。

そしてもうひとつ重要なのが「パッケージ」です。特に女性のお客様が多い場合はパッケージ買いされることも珍しくはありません。デザインがかわいいものやおしゃれなものだと自分へのプチギフトやご褒美としてもついつい買ってしまう気持ちはわかります。

そして”おしゃれ・かわいい”だけではなくて、見ただけでどういった商品なのかがわかることも重要とのこと。松田さんのお店には健康意識の高い方もいらしゃるので、「グルテンフリー」「砂糖不使用」といった表記や成分、産地などがパッケージに書いてあるとお客様に訴求しやすく、ポップに書かなくても伝わりやすいというメリットがあります。

売れ筋や人気商品は?

今回はお店で販売している商品のなかから、松田さんのイチオシ商品やお客様に人気の商品も教えていただきました。ちなみに「hakko matsuda slow food okamoto(ハッコウ マツダ スローフード オカモト)」の店内で販売されている食品類の7,8割はスーパーデリバリーで取り扱っているアイテムです。オーガニックやヴィーガン食品の取り扱いも増えていて、松田さんのお店にもいくつか並んでいました。

まず松田さんが紹介したのがこちらの「玄米この葉」のおせんべい。こちらは原材料がなんと国産の有機玄米だけなんです。(うす塩味は黒ゴマ、米油、ゴマ油、塩だけです。)まさに素材そのものの味わいが楽しめるおせんべいですが、ほんのりと甘くて玄米の風味がとっても美味しいと評判なんだとか。添加物も入っていないので健康面に気遣う方やお子さんにもおススメで、お見舞いの品などでも喜ばれているそう。

松田さんのお店でも絶えずリピートして仕入れているとのことで、参加者の方たちも「試してみたい!」と帰りに購入されていました。

続いてのおススメの品は「酢」です。発酵デリカフェの「hakko matsuda slow food okamoto(ハッコウ マツダ スローフード オカモト)」ではお酢を使ったメニューも多く、店舗で使っているお酢を販売もしています。今回棚に並んでいたのはアリサンのアップルビネガー オーガニック 473mlや健康フーズが扱う梅酢です。梅酢はマリネの調味料として使っているそうで、お店で食べた方が帰りに買っていくことも多いそう。

こちらの玄米玄米麺、そしてこんにゃくヌードルなどもリピートも多い商品とのこと。特に玄米麺やこんにゃくヌードルは調理するのも簡単で、お店のメニューとしても使いやすくヘルシーなお客様受けもいいようです。

それからこちらのお茶も、お客様が手に取ってくれやすい商品として紹介いただきました。なかでもあずき茶は女性受けがいいようで、冷え性やむくみ、血糖値が気になる方がパッケージ買いしていくのだとか。同様に黒豆茶とうもろこし茶もよく出る商品だそう。

ただノンカフェインのお茶はコーヒーや紅茶などのカフェイン入りに比べてリピートしてもらいにくいという傾向があるそうで、お客様が興味を持ってくれるように定期的に商品を入れ替えるという工夫もされていました。

手に取ってもらいやすいPOPやディスプレイ

売れ筋商品やおすすめ商品と加えて気になるのが、お客様への提案方法やディスプレイです。今回もいろいろな商品をご紹介いただきましたが、どの商品も同じカテゴリーの品が数種類並んでいました。

松田さんの経験談として「同じカテゴリーの商品でも違うメーカーや種類を並べておくことでお客様が選びやすくなる」とのこと。

たとえば先ほどのお茶にしてもお酢などにしても、おしゃれなパッケージもあれば典型的な印象のものも一緒に並べています。パッケージ買いする人もいることを考えると、どちらかに偏るとお客様を選んでしまうということにもなるので、できれば両方提案したほうがお客様も買い物を楽しめるのでは?と考えているそう。

(上段にはお酢だけでも5種類ほど並んでいます。)

POPの使い方も聞いてみました。

松田さんの店舗ではお客様が知りたいであろう情報だけに絞っています。以前はあれもこれもと書き綴っていたそうですが、最近は「パッケージにすでにたくさんの情報が書いている」ことや、「たくさん情報を載せると逆に見づらいし選びにくい」という声もあったことから今はシンプルな内容になっています。

確かにこちらのほうがすっきりとして見やすさは出ていますね。

参加者同士も交流できたリアルイベント

イベントでは松田さんが日頃どのようにお客様とコミュニケーションを取っているのか、リピーターや集客のためにどういう取り組みをしているのか、といった内容にも及びました。このあたりは業種問わず気になるところでもありますね。

松田さんのお店は近隣にエステサロンなどの理美容系の店舗も多く、お客様同士の親和性が高いことからコラボしたイベントを開催してお店を紹介しあったり、最近では近くの山に登ってからお店に戻って食事を取ってもらうという健康な身体づくりを意識した朝活も始めていて、こういった取り組みを通してお客様との距離感を縮めているのだとか。

ほかにも色々と試行錯誤しながらイベントなどを取り入れてきた松田さんですが、ポイントは「やりすぎないこと」だそう。

過去には積極的にお客様を誘いすぎて、逆に離れていかれたという経験もあることから「前のめりになって頑張りすぎるとお客様も違和感を感じるので、そこは無理しないことですね」とのこと。

イベントでは参加者同士もお店の情報交換や悩みなどをお話いただき、交流を楽しんでいただきました。また、松田さんのお店に並んでいる商品にもみなさま興味津々で、気になる商品を購入したりオーダーしたりと、リアルならではの交流時間となりました。

今後もスーパーデリバリーでは会員事業者様同士が情報交換や交流できる場を設けていく予定です。日頃の店舗運営の話から商品の情報なども発信していくので、ぜひご参加ください。