大阪市平野区にある、「Moullin House(ムーリンハウス)」を訪問しました。

住宅街の中、突如現れる色とりどりのお花。鮮やかなお花を見ているだけで心が躍ります。そして心地よい花の香りが広がっています。来る時期によって咲いているお花が変わるんだろうなぁと想像するだけでワクワクするような景色。季節ごとの美しいお花と個性豊かな雑貨が共存する、とても素敵な空間です。

さっそく、お花や雑貨を通じて暮らしを豊かにする素敵なお店の店主、豊嶋さんに話を聞いてみました。

イングリッシュガーデンに魅了され、会社員からガーデンコーディネーターへ

──豊嶋さん、色とりどりのお花が鮮やかに咲いて並んでいますね。住宅街の中に急に出てきた一面のお花にびっくりしました!いつからガーデンコーディネーターをされているのですか?

豊嶋さん:30年以上前からですが、もともとは会社員として働いていました。銀行で6年間、アパレル業界で6年間働いていましたが、イギリスに訪れた際に美しいお花の庭に魅了されてガーデニングの店「Moullin House」を始めました。園芸業界の知識は全くなかったので、イギリスで7,000kmのひとり列車旅をしながら庭や花の写真を撮り続け勉強しました。今までに撮影した庭の写真は50,000枚以上です。

──すごい!様々な国をまわってご自身の目で見て勉強されたのですね。英語はもともと得意だったのですか?

豊嶋さん:英語は中学レベルでした。始めはガーデニング大国のイギリスで3カ月程滞在したのですが、当時はガーデニングの本を何冊も買いこみ、英語の辞書を片手に園芸業界の勉強をしていましたね。

──そうだったのですね。たくさんの経験をされてきたと思いますが、特に思い出に残っている出来事はありますか?

豊嶋さん:英国の列車に乗ると次が何駅かアナウンスが流れないんです。なので、車掌さんに地図を見せて、『ここに行きたい』とジェスチャーをしておくと、駅に着いた時に私を探して教えてくれました。その後、ブラジル行った時も同じようにして、たくさんの子ども達が、下車したいバス停に到着すると教えてくれました。私がひとりで世界を旅していた頃は、携帯電話もなく、調べることができないので自分で考えるしかなかったのですが、その学習が習慣となり今でも常に考えて商売をしています。

プラスオンで暮らしが豊かになる提案をする

──お花や雑貨類を販売するうえで意識していることはありますか?

豊嶋さん:物を売る商売の目的は人々がハッピーになる、つまり、お客様が喜んでくださり笑顔になることです。楽しい売り場作りを演出し、さらに、商品とお客様のワクワクする出会いを提供し、商品にストーリーを添えています。例えば、マグカップをご自宅に持っていないお客様はいないでしょう。売り場に素敵なマグカップがあり気に入ったとして、「マグカップは持っているので買う必要はない」ではなく、「買ってもいいな」というときめくストーリーをお客様にお伝えしています。

──ときめきのストーリーを添える、とても素敵ですね。具体的にはどんなストーリーを添えていらっしゃるのですか?

豊嶋さん:今月はムーミンシリーズの食器を仕入れ、一緒に住んでいる85歳の母に、母の日のプレゼントとして渡しました。母はとても嬉しそうに、たっぷりのミルクが入った紅茶とトーストを楽しんでいます。母がムーミンの食器でときめいていることをお客様にお話したところ、お客様のご購入にもつながりました。歳を重ねてもときめくことは大切です。実際、私自身もお気に入りのマグカップを10個以上持っています。朝のコーヒータイムは一日の始まり。バラが咲けばバラの柄のマグカップを使用し、花のワルツの音楽をかけると贅沢な朝を過ごせます。バラの時期はバラの柄の雑貨が売れますね。仕入れる商品に合わせて、商品に添えるときめきストーリーをいつも考えています。

──お客さんはモノを買いにきているのではなく、ときめきを探しに来ているのかもしれませんね。

ディスプレイの仕方を変えると商品の魅力が伝わる

──雑貨の魅せ方もとてもオシャレですね!豊嶋さんのアイデアですか?

豊嶋さん:おしゃれな雑貨をどう飾ればいいのかわからないという相談を受けることがありました。そこで、これまでの様々な世界を見てきた景色からヒントを得たり、考えたりして魅せ方も工夫しています。例えば下の写真のマスカットインテリア。単体では売れなかったのですが、写真のように飾ることでお客さんから「こうやって飾ればいいのね」と喜ばれ、すぐ購入されました。モノを販売するだけでなく、どう魅せるかも含めたトータルコーディネートを提案しています。

──たしかに、私も単体ではどう飾ればいいのかわからないと悩んだことがあります。そんなお悩みを解決してくれるのが豊嶋さんのトータルコーディネート販売なのですね。

お花と雑貨の提案を通じてお客様がハッピーになれる提案を目指す

お花に囲まれたベンチ

──園芸スペースにあるベンチも素敵ですね!お花に囲まれてまさにイングリッシュガーデンのようです。

豊嶋さん:ベンチに座って見える景色は心を優雅にしてくれます。毎週見ごろのお花が変わるので時期に合わせてベンチの前に置く鉢植えも変えています。ベンチの後ろや横にも色とりどりのお花が並んで360度お花に囲まれています。至福のひと時を過ごせるベンチにはお客さんからも大人気で、一緒にコーヒーを飲んだりお弁当を食べたり、時にはキャンドルを焚いて過ごしています。

──豊嶋さんの回りには花が溢れ、人々の笑顔も溢れていますね。園芸活動の他にも活動されているのですか?

豊嶋さん:みんながハッピーになれる世界を作りたいと考えていて、社会貢献活動や英会話教室、ガーデニング教室もやっています。美しい花の庭を家庭でも再現し、心が躍る日常をお手伝いしたいという想いで、お庭のデザインやメンテナンスについての相談にも乗っています。

豊嶋さんが相談に乗ったお客様のお庭

──様々な活動をされているんですね。社会貢献活動とはどんな活動をされてきたんですか?

豊嶋さん:社会貢献活動では、カンボジアでのボランティアや、政府派遣のメンバーとしてパプアニューギニアや硫黄島の遺骨収集などにも参画しました。また、英会話教室では地域の子供たちに生きた英語を教えています。特に、子供たちには「笑顔と行儀が一番。言語はその次。」と教えていますね。私はこれまでたくさんの国に行ったので様々な国籍の友達がいますが、笑顔があればみんなハッピーに過ごせます。ハッピーな世界をお花や雑貨を通して実現していきたいですね。

──世界各地で活動されてきたんですね。今後の展望を教えてください!

豊嶋さん:私の店は地元密着型です。お客様は私の店のセンスや美を感じてリピーターになってくださっていると思います。商売の仕方も時代によって大きく変わってきましたが、新しいことにチャレンジしながらも、私の店の流儀の軸はしっかり持って商売をしています。今後のさらなる挑戦としては、花の咲き誇るガーデンを私が作り、カフェのできる方とコラボしたいと思っています。そして、おしゃれな雑貨を販売し、花のある暮らしをもっと多くの方にご提供できればと思っています。

──これまでも夢を実現させてきた豊嶋さんだからこその言葉ですね。その想いに応えられるようスーパーデリバリーでもお手伝いしていきたいです。

──豊嶋さん、本日はありがとうございました!

■店舗情報
Moullin House
大阪市平野区平野本町 4-11-29-101三栄ビル
谷町線平野駅から徒歩10分ほど
https://osakahappygardener.com/