京成線の「立石」駅から徒歩5分ほどの場所にある焼き肉店「七りん半」。もともとサラリーマンだった店主の張本さんは、実家の焼き肉店が立ち退きの影響で閉店することになったことから20代で後を継ぐことにし、立石で新たな店舗をオープン。ゼロからのスタートとして試行錯誤しながらも店舗の経営を続けてきました。コロナ禍で飲食業界が大きなダメージを受けた中でも七りん半は臨機応変に営業スタイルを変え、経営を続けています。今回はゼロベースからの店舗の運営やコロナ禍での対応について伺ってきました。

サラリーマンをしながら独学でスタート

七りん半はもともと墨田区で張本さんのご両親が開業した店舗でした。道路拡張の工事による店舗の立ち退きをきっかけに新たな場所でお店を引き継ぐことを決め、最初はサラリーマンと両立しながらスタートしたそうです。

張本さん:両親から引き継いだとはいえ立地も違う場所で始めることになりましたし、営業のスタイルも変えて自分で切り盛りしていくことになったので、ほぼゼロベースからのスタートとでした。まず始めたことは物件探しですね。それから包丁の使い方を教わったり、肉の切り方や内臓の洗い方など必要なことを一から学んでいました。平日はサラリーマンとして経理の仕事をし、週末の時間をすべて店舗のことに割いていました。 うちは家族経営だったので幼いころから両親が働く姿を見てきましたが、実際に焼き肉店をやるうえで必要な専門スキルは店舗を引き継ぐまで知りませんでした。ですので、両親をはじめ知り合いの方々に教わったり独学で学んだりしながら身に着けてきました。店舗を引き継いで10年くらい経ちますが、今でも日々追及しています。最初に教わった時はピンとこなくても、やり続けているうちに「こういうことを言っていたのか」と腑に落ちることがあったりもしますしね。

昭和レトロな雰囲気の店内。                                                   

七りん半がある店舗の周辺は「せんべろのメッカ」とも呼ばれる通りがあり、その名の通り1,000円でべろべろになるほど飲める大衆居酒屋や小規模な居酒屋、立ち飲み屋などが連なっています。そんな中、七りん半の客単価は3,000~4,000円ほどと他店よりも少し高めの設定になります。ジャンルは違うとはいえ他の店舗の2倍ほどする店舗に来てもらうために、接客やメニューなどの見直しを行ってきたそうです。

張本さん:オープンした最初の年あたりは、地元の方や以前のお店のお客様などが足を運んでくださいましたが、徐々に客足も減ってきました。その時に、店舗の運営方法や仕入れ先を見直しました。例えば接客に関しても、家族経営の時からどこかしら慣れ合いのような雰囲気の中で続けていたのですが、やはりそれではお客様の反応も良くはないと感じたので、対応や声掛けなど一つ一つ変えていきました。最初は自分がやってみて、それでお客様の反応がよかったら周りのスタッフにも提案したりしていきました。

やはりこの地域の中では客単価も上のほうなので、お客様に来ていただく以上は期待に応えていきたいという意識も強くなりましたね。金額設定や提供するサービスなどもそうですが、試行錯誤で3歩進んでは2歩下がるといった感じで時間はかかりますが、中途半端なものを提供しないように心がけています。

コロナ禍でテイクアウト、お弁当メニューを即座に用意

コロナ禍では多くの飲食店が厳しい状況に立たされ、その在り方にも大きな変化が起きていますが、中でも多いのがテイクアウトの提供やランチメニューの開始などです。七りん半でもいち早く営業スタイルを変えるなど、対策を取ってきました。

ボリュームもあってお得と人気のお弁当。                                             

張本さん:コロナウイルスの影響で営業時間の短縮要請が出た時は、夜の営業をカバーするためにすぐにテイクアウトのメニューを用意しました。店舗の外で牛すじ煮込みを作って売ってみたり、ランチ営業も期間限定で始めました。

今から思えば、感染症対策や時間短縮などルールにちゃんと従って営業をしてきたことがお客様からの信頼にも繋がってきたかなと感じています。まじめにやっていたら周りはちゃんと見ていてくれますし、その分さらに気を引き締めて頑張ろうという気持ちにもなりました。

コロナウイルスの影響は小さくはないですが、それでも臨機応変にできることを即時やっていけばなんとかなると分かりましたし、いい経験になっていると思っています。とにかく、迷ってないで出来そうなことや思いついたことはやってみる。これがすごく大事だと思いましたね。

休業される店舗や閉店された店舗がある中、うちは営業を続けてきたので仕入れ先の業者さんにも「やってるんだね!」と驚きつつも喜んでもらえましたね(笑)。仕入れ先さんとの付き合いはすごく重要ですし、やはり信頼関係が作れたらいい食材も手に入りますし、そういう意味でも営業を続けてきてよかったと思います。

口コミ効果で2社の雑媒体から取材が。                                               

こういった取り組みやお客さんの口コミなどの影響で雑誌からの取材もあり、お店の認知度も上がったそうです。

世の中の流れに合わせた営業を考える

お客様と向き合い接客などを見直しつづけた結果もあり、七りん半に来店される方の6割は常連客になっています。新規のお客様はGoogleのマイビジネスをみて来られる方もいらっしゃるようですが、多くは口コミや紹介で来店されています。

張本さん:接客やメニューを見直してから足を運んでくださるお客様も増えてきましたし、初めて来てくださる方にはお声がけしてたりしてコミュニケーションも取るようにしています。そうすることでお客様の顔も覚えることができますし、また次来ていただいたときに分かりますからね。

コロナ禍になってから人の動きも変わりましたし、飲食店を利用される時間帯にも変化が起きていると感じています。これまでは18時~19時台に来店される方が多かったのが、2時間くらい早まっていますね。逆に終わりも早くなっているので、開店時間を17時~21時半までに繰り上げるようになりました。

店舗を経営していく上では、こうした世の中の流れや人の流れを主にして考えるのがすごく大事だと思います。あとは、常にお客様の立場になって考えることですね。なので休みの日は色々と外食してみて、どんな接客だったら好感が持てるのか、どんなサービスがあるのかといったことを体感するようにしています。中途半端なものは提供できませんし、うちの場合は店舗を大きくしたいとかではなく、とにかく飲食業界の中で生き残っていくことが大事だと考えているので、そこには日々の行動がつながっていくかな、と。

子連れでも気兼ねなく来店できる店づくりをしている七りん半。壁には来店されたお子様たちからのメッセージが飾ってあります。                              

飲食店は頑張った分だけ反応や結果が見えやすいからやり甲斐もあり、細く長く、人生と共にこの商売を楽しんでいきたいと話す張本さん。店舗の営業を通じて世の中のためにできることをやっていきたいと、七りん半への想いを語っていただきました。

七りん半

住所:〒124-0013 東京都葛飾区東立石4丁目49−7

HP:https://guts-barbecue-restaurant-439.business.site/

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