ペット同伴OK！非日常を味わう温泉宿「旅籠 彩くら」を取材しました

九州の真ん中あたり、大分県玖珠郡九重町の宝泉寺温泉にある「旅籠彩くら（さくら）」さん。
全国的にも有名な黒川温泉と湯布院温泉の中間地点にあり、車で温泉を巡って訪れるお客様も多い場所です。

3,000坪の広大な敷地には、桜の名前にちなんで名づけられた10棟の離れがあり、すべて源泉掛け流しの露天風呂付というぜいたくな温泉宿。和モダンなデザインの離れは10棟のうち5棟はペットと一緒に宿泊可能です。

自然に囲まれ、夏は蛍、冬は満点の星空と風光明媚（めいび）な環境で非日常をたっぷりと味わえる空間を提供する温泉宿「旅籠彩くら」の代表である松平さんに、宿のコンセプトや運営面でのこだわりをお聞きしました。

1 普段では味わえない「非日常」をゆったりと感じていただきたい
2 「すべて」のお客様がくつろいでいただける空間を提供
3 「記念日プラン」「アメニティ」「食」のおもてなし
4 リピーター客は7割！「非日常体験が忘れられない」お客様が多数
- 4.1 温泉宿「旅籠彩くら」
5 旅館、ホテル、ゲストハウスなどの宿泊事業者の仕入れはスーパーデリバリー

普段では味わえない「非日常」をゆったりと感じていただきたい

客室は1棟ずつ独立した離れになっており、家族や仲間のみで過ごせる空間です。客室同士が離れているという空間の余白が特別な空間を作ります。そして温泉宿である「旅籠彩くら」は全室に源泉掛け流しの露天風呂が付いており、24時間好きな時に入浴できます。四季折々の景色を眺め、川のせせらぎを聞きながら温泉につかり、露天風呂は自分だけで独占できる！これだけでも非日常的な空間です。

「すべて」のお客様がくつろいでいただける空間を提供

お客様同士が快適な距離感を保って過ごせる離れのお部屋

「旅籠彩くら」の特徴の一つは、約3,000坪という広大な敷地を活用した離れの客室という形態です。各客室の脇に駐車スペースがあり、車を横付けできます。荷物が多かったり、車いすやペット同伴など移動を楽にしたいお客様にとってもうれしい配置です。車を停めたあとはそのままお部屋でチェックインが可能です。

他の宿泊者と混雑した場所で待機する必要がなく、宿に到着してすぐから密を避けてプライベート空間で過ごせるのは、安心で便利な仕組みとおもてなしだと感心しました。

敷地内は中央にある水路を隔てて、ペット宿泊可のお部屋と不可のお部屋に分けられています。ドックラン側にはペット宿泊可能なお部屋が並び、ペット同伴のお客様と同伴でないお客様が空間的に分かれるようになっており、お互いに気持ちよく過ごせるように工夫されている配置されています。

こうした計算された適度な距離感が、宿泊されるすべてのお客様にとって心地よく過ごせるベースの部分になっています。

ゆっくりと寛ぎの時間を過ごすための素敵なドリンクサービス

宿に到着したあと、チェックインを済ませると食事の時間まで無料で飲めるウェルカムドリンクのサービスがあります。管理棟内にあるカウンターには、近隣の造り酒屋から仕入れた地元のお酒や、自慢の料理に合うワイン、リキュールなど多数そろえています。

このフリードリンクのサービスはチェックイン後から食事までの間と、夕食後から夜9時まで楽しむことができます。気軽に乾杯を楽しむもOK、心ゆくまでお酒を楽しむもOKと、お客様がそれぞれの好みでお酒を楽しめるような形式でサービスを提供しています。

ペットも大切なゲストとしておもてなし

当館は大型犬もご一緒に安心してご宿泊いただけます。 — 宿泊者だけが利用できる広々としたドッグラン

代表の松平さんは創業60年を超える温泉宿「御宿みやこ」の3代目でもありますが、「御宿みやこ」では15年ほど前からペットの宿泊を可能にし、ペットと泊まれる温泉宿として人気を集めてきました。その裏では、中型犬や大型犬は受け入れができない歯がゆさやペット同伴ではないお客様への配慮など課題もあったそうです。

その中で、新たに温泉宿を開業することに。これまでのお聞きしてきた宿泊客様からのご要望や松平さんの願望を取り入れて、2015年に「旅籠彩くら」をオープンしました。独立した離れの客室のメリットをいかし、中型犬、大型犬、2匹以上でも宿泊可能であるのは、愛犬家にはうれしいポイントです。

また敷地内では四季折々の自然を感じながらお散歩を楽しむことができますが、宿泊者専用の広々としたドッグランも併設しています。ドッグランにはスギの木の皮を使用し、クッション性や水はけ、防虫効果も考慮されています。代表の松平さんご自身も4匹の犬を飼っているそうで、整った環境で足腰の弱ったペットでも安心して過ごせるようにと犬好き目線のやさしさを感じる工夫がなされていました。

また、ペット同伴の宿泊者様には一定のお願いごとを設けています。内容はホームページでも明記されており、理解あるお客様に宿泊いただけるようにルールを明確にしています。一定のルールがあることで、ペット同伴を問わず、すべての宿泊者が不安なく予約でき、宿泊している間も気持ちよく過ごせる大切な基盤となっているのではないでしょうか。

旅籠彩くらホームページ「ペットと一緒にご宿泊のお客様へ」より引用
https://hatagosakura.jp/service.html

「記念日プラン」「アメニティ」「食」のおもてなし

記念日の思い出をそのままに！フェイクフラワーのお花のサービス

非日常的で優雅な時間を過ごせる宿として魅力あふれる「旅籠彩くら」では、結婚記念日やお誕生日など特別な日を迎える宿泊客も多く、以前は生花やケーキといったサプライズプレゼントも用意していました。最近ではフェイクフラワーを使用した豪華な花束やフラワーギフトを提供しており、お客様からも好評とのこと。

本物のお花そっくりにせっけんでつくられたソープフラワーや生花を加工して作られたプリザーブドフラワーは、生花と引け目を取らない美しさと豪華さがあり、生花とは違って枯れないためそのまま持ち帰ることができます。そのため、プレゼントされた当日は客室に置いて余韻を楽しみ、宿泊後は自宅で思い出を振り返ることができます。お客様にもっと喜んでいただけるアイテムを探し選び、非日常的な記念日の演出に一役買っています。

忘れ物があっても安心！ペット用のアメニティーも充実

ペットが泊まれる客室では、ペット用シャンプーやドライヤーも完備しています。基本的にはペットに使うアイテムは持参をお願いしていますが、手ぶらで宿泊したいお客様もいるため、ひととおり必要なペットグッズは貸出しできるように準備しています。万が一、忘れものがあっても借りることができるので宿泊者にとっては安心です。

また、ペットと泊まれる客室の玄関には、リードフックが設置されておりペット同伴でも安心して泊まれるアイテムの設置は工夫がなされています。

地産地消食材で非日常を演出！洋食のコースが人気

旅の楽しみの一つと言えば食事。「旅籠彩くら」がある大分県には新鮮な海や山の幸があります。温泉宿というと和食のイメージが強いですが、「旅籠彩くら」では和食のコースだけでなく洋食コースも提供しています。洋食を提供する理由は「非日常」を食事のシーンでも体感してほしいから。地元でとれた新鮮な食材を、見た目も華やかな特別感のある洋食にすることで「非日常」的な空間を感じてもらう要素にしています。

記念日の食事と言えばフレンチやイタリアンなどのコース料理が定番ですが、実際に宿泊客の約8割が洋食コースを選択しており、宿泊客側の希望と宿側のおもてなしがマッチしていることをうかがえる割合です。

現在は感染症対策のため中止していますが、洋食コースを選んだ際は和食のビュッフェもコースの一部に取り入れており、いいとこどりの食事を提供されています。

リピーター客は7割！「非日常体験が忘れられない」お客様が多数

旅の目的は人それぞれですが、多くの人が求めているのは日々の生活や仕事から離れた「非日常」を感じることではないでしょうか。

その「非日常」をより多く体験してもらうためにはどうしたらいいか、考え抜かれた空間づくりやサービスを「旅籠彩くら」では体現されています。

自然の雄大さを感じる、ぜいたくな離れの客室で家族や仲間と好きなだけ温泉に入る、地産地消の食材を使った特別な食事をいただく、こうした「非日常」の体験の連続は記憶に残り、また宿泊したいと思わせる思い出となります。約7割がリピーター客というも納得です。宿泊したお子様から両親へのプレゼントとして宿泊されるお客様もいるとのことで、宿泊客の満足度の高さをうかがえます。

今回取材させていただき、「すべての宿泊客様に非日常的な空間をゆっくりと過ごしていただきたい」というテーマを一貫して強く感じました。そして数々のサービスや環境・設備は、お客様の声を真摯に受け止め、具体的に改善点に取り入れるという姿勢から生まれているのだと感じました。

どうしたら非日常的な空間を提供できるのか、日々のお客様の声や気づきから得たことをアメニティ選びやサービス改善、施設の設置に活かしていく具体的な事例を学ばせていただきました。「旅籠彩くら」さん、ありがとうございました。