靴下や帽子、手袋を中心に扱う服飾雑貨メーカーのハミングバードさんを訪問してきました。ハミングバードさんのメイン商材は靴下ですが、どれも国内の職人さんが作っているもので、常に入荷待ちだというほど小売店さんからかなり人気の商品なのです!
そしてハミングバードのみなさんはその商品への愛情はもちろん、職人さんをリスペクトする気持ちがすごい・・だからこそ「商品の良さを分かってくださる小売店さんに販売したい」という想いから全国の小売店さんを車中泊(!)で日々回っておられます。今回は商品の人気の理由やハミングバードさんの想いを営業の金澤さんに伺ってきました。
目次
ハミングバードの靴下の魅力とは?
-ハミングバードさんの靴下は職人さんが作っておられるのですよね?とにかく履き心地が違うと聞いたのですが。
金澤さん:そうなんです。もともと社長である父親が見つけてきた職人さんなのですが、その方はずっと紳士服の靴下を作られてきたベテランの方でした。見せていただいた商品の中に“自分の趣味で作った”と仰った商品があり、それに父が一目ぼれしまして。
-なにがそんなに魅力だったんですか?
金澤さん:履いた時に締め付け感が全くないんですよ。すごく快適なんです。どれくらい快適かというと、認知症のおばあちゃんのために購入されたお客さんがいらっしゃったのですが、普段はおばあちゃんに洋服を着させてもすぐに脱いでしまうけど、この靴下だけは履いている感じがなかったのか、まったく脱ごうとしなかったというエピソードと感謝の連絡をわざわざいただいたんです。
ほかにも、女性のお客さんからは長時間履いていても浮腫まないしゴムの後が着かないとか、とにかくストレスフリーで快適だと言われますね。
(ハミングバードのメイン商材。年間15~16万本も売れるという、靴下業界では異例の人気。エジプト綿を使っていながら1本1,400円という手ごろな値段設定にしているのは、手に取ってもらいやすいように、という想いから。)
-消費者の方から直接感想の連絡がくるってすごいですね。一般の靴下と比べて編み方が違うのですか?
金澤さん:そうです。一般的な靴下は3本の糸で編み上げていくのですが、この靴下は1本の糸で編んでいます。1本の糸をひらすら巻いて作るので相当時間もかかるし、機械も特殊なんです。もともと職人さんが自分の趣味で作っておられたものを父親が頼み込んで製品化してもらったので、他にはない商品なんですよ。
-ハミングバードさんだけのために作ってくださるって凄いですね。
金澤さん:はじめは職人さんにも断られましたよ(笑)。大量に作れないし、そもそも自分の趣味だから作るつもりもない!と相手にしてもらえませんでした。でも父はめげずに職人さんの元に通い続け、いかにこの靴下が素晴らしいか、そしてそれを多くの人に知ってもらいたい、という想いを日々伝えていたらそのうち職人さんが折れてくれて(笑)。今では職人さんのほうから「こんな商品どう?」と提案してもらうこともあります。本当に職人さんたちには感謝です。
-商品をよく見るとサイズの幅がすごく広いし、ものすごく伸びますね。
金澤さん:そう、それも特徴なんですよ。とにかく縦にも横にもよく伸びるんです。履き始めは少し締まりがなくてたるんでしまいますが、履き続けていると自分のサイズにフィットしてくれるんです。普通、靴下ってサイズがもう少し細かく選べますよね。でもうちの靴下は伸縮率が高くてその人の足に合った形になってくれるので、サイズ感は細かくない代わりに男女関係なく履いていただけます。
それに、耐久性もあって1年くらい余裕で履けますよ(笑)。伸びてきたら思い切り縦に伸ばしくてください。そうしたら元に戻るんです。
あと、色によって伸縮の幅も違うんです。後染めしているので、染色の具合でマチマチなんですね。色の濃いものは縮まないけど白は縮みやすいとか。なので、お店によっては「これは不良品じゃないの?」と言われることもあったのですが、商品の機能や素材の特徴、なにより職人技の素晴らしさを理解していただいた上で購入いただくようになりました。
-一般的な靴下とはかなり違いますね。これも職人さんの技ですか?
金澤さん:そうです。この縫い方が出来る方はおそらくほかにいないと思います。ただ、職人さんも高齢で以前お願いしていた方はもう辞められたんです。その時に「機械も捨ててしまう。これは自分の代でお終いだ。」と仰っていたのですが、そこでまた父親や僕の想いが通じたのか他の工房の職人さんに機械と技を引き継いでもらうことができたんです。そのおかげで今もオンリーワンの商品作りが継続できています。
車中泊で全国の小売店をめぐる理由とは?
-ところで、ハミングバードさんは全国の小売店さんを車中泊で回っておられると聞いたのですが・・
金澤さん:親子で手分けして回ってますよ!(笑)会社は東京にありますが、物流倉庫は滋賀県の彦根にあるんです。彦根を中心に関東や東北エリアは父が、彦根から東海や近畿、中国など西エリアは僕が担当しています。1年の中で会社にいるのはひと月くらいかな?ほかは車中泊で回ってますね。
-なぜまた車中泊を?
金澤さん:単純に経費を削減するために・・・まぁそれは冗談でもあり本当なんですけど(笑)。理由としては、商品の良さを分かってくださるお店に販売したい、だから1店舗1店舗回ってちゃんとお話をしたうえで取引がしたい。となると、一日あたり回れても2~3店舗なんですよ。店長さんと意気投合したら10時間くらい話しているときもあるから1店舗しか回れない日もあって(笑)。そしたら宿泊費のほうが高くつくでしょ?だからですよ。(笑)
-ある意味非効率な営業・・とも思うのですがそこまでして小売店さんを回り続ける理由とは?
金澤さん:商品の素晴らしさを伝えたい、分かってもらいたい。それに尽きますね。商品だけでなく、手間暇かけて作ってくださる職人さんを尊敬する気持ちがすごくあって、それも理解いただける方々にこの子たち(商品)を販売してもらいたいんです。なので、車であちこち走りながら「あ、このお店なんかよさそう」と思ったらまずはお客さんとして入ってみて、店長さんと話してみるんです。
それに、さっき言ったようにモノによってサイズ感が違うんです。作る工程の中で通常はスチームをかけるんですが、エジプト綿を95%使っているうちの靴下はスチームをかけると痛んでしまうからランドリーで乾かしています。ただ、それによりサイズが異なるからこれをチェーン店とか大型店に出すとクレームが来るんですよ。
なので、1店舗ずつ回って理解を得たうえで販売したいんです。
(裏側がシルクの2重網みになっている靴下。通常のものは履いているうちにずれてくるが、ハミングバードの商品はつま先あたりで縫い合わせているのでずれない。この技術を持ち合わせている職人さんが少ないのだとか。)
-いきなりサンプルをもって営業はしないと聞いたのですが。。
金澤さん:絶対にしないです。僕がまだ営業を始めたころにサンプルもって営業してみたんですけど、全然売れなくて。それを父に話したら「最初からサンプルなんて持っていくな!」と怒られたんですよ。そこからまずは、お店の雰囲気をみて店長さんと話してみて、そこで興味持ってもらえそうなら「商品見てもらえませんか?」と持っていくようにしています。そうすると見ていただけることが多いし、話を聞いて共感してくださるからこそ売ってもらえますね。
営業の成功率が全然違いますよ。
職人さんへの想いとは
-話を聞いていても、本当に商品愛や職人さんへの想いが強いですね。
金澤さん:職人さんって本当に恰好いいんですよ!モノづくりへの姿勢だったり、愚直な姿だったり。ハミングバードがあるのも職人さんのお陰なので、僕たちとしては職人さんがモノづくりに集中できる環境を用意できればな、と思っています。
以前職人さんに「あなたにとっての靴下作りってなんですか?」と聞いてみたことがあるのですが、その答えが「義務だよ」だったんです。自分にしか出来ないからひたすら作るんだって。もうその言葉にしびれましたね・・
新しい商品をつくるにしても、固まったデザインや要望じゃなくてざっくりとしたイメージだけ伝えて、あとは職人さんにお任せしています。そしたら逆に職人さんから「こんなのどう?こうしてみたんだけど」と提案してもらえることもあるんです。
実際にその商品を購入されたお客さんの反応とか、嬉しい声が届いた時には職人さんにもお伝えしていますが、すごく喜んでくださり、その姿を見ているこちらまで胸が熱くなることがあります。
これからも職人さんとワンチームでモノづくりをしていきたいですね。
今回の取材の後に別の雑貨屋さんを訪問したら、偶然にもそこにハミングバードさんの商品が置いてあったのですが、その店長さん曰く「すごく人気の商品なんですよ!リピーター客も多いんですよ」と絶賛されていました。
ハミングバードさんの商品に興味のある方はぜひスーパーデリバリーのサイトをご覧ください!そのうち貴方のお店にも金澤さんが来られるかもしれません☆
Hummingbird(ハミングバード)
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