北海道伊達市。伊達赤十字病院の裏手に、自然食品や調味料、木のおもちゃ、天然素材のカゴなど、暮らしに寄り添う品々を集めた「天花地星(てんかちせい)」があります。
子どもの教育環境を求めて北海道へ移住したオーナーの木村洋子さんが、自宅でおもちゃなどを販売し始めたことが、その出発点でした。「こんなものが欲しい」というお客様の声に応えながら、約20年にわたってお店を続けています。
大切にしているのは、心と体に優しいものを届けること。そして、こだわることが負担にならないよう、気負わず買い物を楽しんでもらうことです。お客様とともに育ててきた店づくりと、地方での仕入れを支えるスーパーデリバリーの活用について、木村さんに伺いました。

北海道伊達市にある「天花地星」。自然食品や木のおもちゃ、日用品など、心と体に優しい暮らしを提案する商品が並びます。
丁寧に選ぶけれど、こだわりすぎない。心と体に優しいお店
──天花地星は、どのようなお店ですか?
木村さん:「心と体に優しい店」を目標に、自然食品や子どものおもちゃ、雑貨、カゴ、化粧品などを扱っています。おもちゃやカゴは、使い終わった後のことも考えて、できるだけ自然に還る素材のものを選んでいます。
食品や化粧品も、原材料や成分を確認しながら仕入れています。食べるものだけでなく、遊ぶものや毎日使うものも含めて、暮らしの中で役立つ商品を置くようにしています。
──どのようなお客様がいらっしゃいますか?
木村さん:アレルギーに配慮した食品を探している方や、グルテンフリーの食生活を取り入れたい方など、さまざまです。一人ひとりの「こういうものを食べたい」「これを探している」という希望に応えたいと思っています。
ただ、私自身は、あまりこだわりすぎなくてもいいと思っているんです。昔は、いろいろなことを厳しく考えすぎて、自分が苦しくなった経験があります。商品はきちんと選びますが、お客様には無理なく、自分に合うものを見つけてもらえたらと思っています。
「ずっと探していたものがあるね」と言っていただくことも多いです。北海道だと通販の送料が気になることもあるので、「ここで買えると助かる」という声もいただきます。普段のお買い物や贈りものを選びに、遠方から来てくださる方もいらっしゃいます。

素材や使い終わった後のことまで考えて選んだ、木のおもちゃ。
子どものために集めたものが、地域に求められるお店になった
──お店を始めたきっかけを教えてください。
木村さん:私の子どもがシュタイナー教育を受けるために、北海道へ引っ越してきたことがきっかけです。当時は、必要なおもちゃや教材などを身近で買える場所があまりなく、そうしたものを集めて販売し始めました。
そのうちに「自然なものを使ったお菓子や調味料も欲しい」という声をいただき、食品も扱うようになりました。今は食品のほうが多くなりましたが、お客様の希望に応える中で、少しずつ品ぞろえが広がってきたんです。
──最初は、ご自宅で営業されていたそうですね。
木村さん:子どもも小さかったですし、お客様も「ここは入っていいの?」という感じだったと思います。
その後、お店の場所を探していたのですが、なかなか見つからなくて。そんなときに、今の場所が掘り出し物のように現れたんです。「私のためにできたみたい」と思うくらい、ご縁を感じました。店舗を構えられたことで、お客様にも入っていただきやすくなりましたね。
──お店を続けていて、うれしいのはどんなときですか?
木村さん:「天花地星の取り扱う食品はおいしいよね」と言っていただけるときです。自分が選んだ商品を喜んでもらえるのは、やっぱりうれしいですね。
お客様から「これを取り寄せてほしい」と教えていただいて、私が知らなかった商品に出会うこともあります。そうした声が品ぞろえを広げるきっかけにもなっていて、私のほうが助けてもらっていると感じることがたくさんあります。毎日、お客様が来てくださることに感謝しています。

子育てをきっかけに、自宅からお店を始めた木村さん。お客様の声と人とのご縁が、現在の品ぞろえにつながっています。
作り手の思いを確かめて選び、おいしい食べ方まで届ける
──商品や仕入れ先を選ぶとき、大切にしていることはありますか?
木村さん:食品なら、パッケージの表面だけで判断せず、裏面の原材料表示まで確認します。お客様が何を求めているかを考えながら、お店で扱いたいと思えるものを選んでいます。
製造元が何を大切にしているかも気になります。例えば、当店で取り扱っている冷凍のおでんは、食品自体だけでなく包装の素材にも気を配っているメーカーさんの商品です。そうした姿勢に共感できる作り手さんを、お店で紹介したいと思っています。
果物も、信頼している方から仕入れています。ユズなら高知、ミカンなら愛媛、マンゴーなら沖縄というように、各地の友人や知り合いを通して商品に出会えるのはありがたいですね。
──新しい商品は、どのように探していますか?
木村さん:インターネットで探すこともありますし、お客様が「これと同じものを食べたい」と商品を持ってきてくださることもあります。
自分が買って気に入ったものは、パッケージを取っておいて、メーカーさんに直接電話することもあります。すぐには取引につながらなくても、本当に扱いたい商品は、時間をかけて相談することもありますよ。
──販売や集客では、どのような工夫をしていますか?
木村さん:試食品を出したり、「こうやって食べるとおいしいですよ」と食べ方をお伝えしたりしています。お客様がスタッフに気軽に質問できることは、小さなお店として大切にしたいですね。
例えばお醤油なら味の違いをご説明しますし、お味噌も食べ比べて好きなものを見つけていただいたり、一緒に味噌づくりをしたりしています。お客様のほうが詳しいこともあるので、お話をしながら選んでいただく感じです。
入荷情報はInstagramとLINEでお知らせしています。投稿すると「見ました」と来てくださる方も多いんですよ。新商品や季節のおすすめを、自分たちができる範囲で発信しています。

毎日の食卓で使う調味料も、味の違いや使い方を相談しながら選べます。「どう食べるとおいしい?」という会話も、買い物の楽しみの一つです。
子育てをしながらでも、地方から商品やメーカーとつながれる
──スーパーデリバリーを知ったきっかけを教えてください。
木村さん:インターネットで検索しているときに見つけました。
当時は子どもが小さく、仕入れのためにギフト・ショーなどへ定期的に行くのは難しかったんです。インターネットでいろいろな会社の商品を見られるところとつながっておけば、新しい動きも知ることができそうだと思い、利用を始めました。
──普段は、どのように活用されていますか?
木村さん:仕入れだけでなく、世の中の動きを知るためにも見ています。「今、何がみんなの心を動かしているんだろう」ということは気になりますから。
季節に合わせた特集を見て、「うちのお店だったら、どれが合うかな」と考えています。お客様の希望や、お店の考え方に合う商品を探すためのヒントになりますね。
──お店を運営するうえで、助かっている点はありますか?
木村さん:小ロットで仕入れられる商品があるのは助かります。それから、困ったときにメールで問い合わせて、早く対応していただけた経験が何度かあります。
子育てをしながらだと、仕入れのやり取りにいつでも時間をかけられるわけではありません。メールで連絡をして、すぐに返信をいただけるのはありがたかったです。そうした対応の積み重ねが、安心して利用できることにつながっています。
「おいしい」を届けたい。その思いと感謝を重ねて、これからも
──特に印象に残っている商品を教えてください。
木村さん:青森の南部煎餅です。直接取引をお願いして、仕入れられるようになるまで4年かかりました。
とにかく、おいしいんですよ。南部煎餅ですが厚みが少し違っていて、独特のサクサク感があるんです。チョコレートの甘さもあって、子どもから年配の方まで楽しんでもらいたいと思いました。自分がすごく気に入ったので、ぜひお店で紹介したかったんです。

4年越しの相談を経て、直接仕入れが実現した青森の南部煎餅『チョコQ助』。「このサクサク感は、食べてみないと分からない」と語る、お気に入りの商品です。
──今後の展望と、これからお店を始める方へのメッセージをお願いします。
木村さん:子どもたちの暮らしを大切にしながら、お母さんたちも気を張りすぎずに過ごせる場所にしたいです。子どもがおもちゃで遊んでいる間に、お母さんがゆっくり買い物をできるような、少し気持ちが楽になるお店ですね。
私自身、たくさんの方に助けてもらっているので、立派なアドバイスはできませんが、自分がお店で何を届けたいのか、その思いを持って続けることなのかなと思います。
自分が納得したものを紹介して、お客様との信頼関係を大切にする。来てくださる方への感謝を忘れず、日々お店を開ける。そうした積み重ねで、ここまで続けてこられたんでしょうね。
──天花地星はどのような場所として利用してほしいですか?
木村さん:お買い物がなくても、ふらっと立ち寄っていただける場所でありたいです。試食を出していることもありますし、気になるものがあれば、ぜひ聞いてください。
商品のことだけでなく、「北海道でおいしいものは?」「ここに行きたいんだけど、どうしたらいい?」といった相談も歓迎です。頼りになるスタッフがいますので、市内のことや北海道のことも、気軽に聞いてくださいね。
何かを買わなければと思わずに、ちょっとのぞいて、おしゃべりをしてもらえたらうれしいですね。近くにいらしたときは、ぜひ気軽にお立ち寄りください。
天花地星(てんかちせい)

自然食品やお菓子、おもちゃ、暮らしの道具がそろう店内。気になる商品を探しながら、スタッフとの会話も楽しめます。
北海道伊達市にある、自然食品やおもちゃ、日用品のお店。原材料や素材、作り手の思いに目を向けた商品選びを続けています。
住所:〒052-0021 北海道伊達市末永町58-1
電話:080-3933-1122
営業時間:10:00-18:00 木曜のみ14:00-18:00
URL:https://www.tenkachisei.jp/
遠方からの来店や、探している商品がある場合は、営業日と在庫を事前にお問い合わせください。
ショップの開業準備・仕入れならスーパーデリバリー
スーパーデリバリーは、食品、雑貨、アパレル、店舗什器・備品などをオンラインで仕入れられる事業者向け卸・仕入れサイトです。
「こんな商品を届けたい」「地域で必要とされるお店を始めたい」。その思いを形にするために、まずは自分のお店に合う商品を探してみませんか。小ロットで注文できる商品から検討すれば、仕入れ数量を抑えて新しい品ぞろえを試せます。
お客様の声を聞きながら、自分らしいお店を少しずつ育てていく。その一歩に、スーパーデリバリーを活用してみてください。
(文・写真:染谷 昌利)




