雨の日が続き、天気が心配された9月。当日はなんとか曇り空にとどまり、東京・馬込駅のすぐ近くで、リサイクルについて学ぶワークショップと地域のごみ拾いイベントが開催されました。

主催は、イベントを通して地域の方との交流を大切にしている「Gift Communication(ギフト コミュニケーション)」さん。そしてコラボしたのは、リサイクルの楽しさを伝える活動をしている早稲田大学の環境ボランティアサークル「Precious Plastic Waseda(プレシャスプラスチック早稲田)」さん。お店と学生サークルのコラボで実現した、環境問題を楽しく体験しながら学べるイベントの様子をご紹介します。

「地域ぐるみのお店」と「環境ボランティアサークル」のコラボ

今回のイベントは、「Gift Communication」さんと、早稲田大学学生環境NPO「環境ロドリゲス」さんにスーパーデリバリーがブログ取材をしていたことがはじまりでした。

「Gift Communication」さんは、東京・馬込駅すぐのお店で、素材や商品の背景にこだわった、ギフトにも使える食品や日用品、雑貨などを取り扱っています。お店のある馬込周辺は子育て世代にも人気のエリアで、親子で参加できるボードゲーム会を主催したり、地域のお店とお祭りを開催したりと、地域の中のお店であることを大切にされています。

「Precious Plastic Waseda」さんは、早稲田大学学生環境NPO環境ロドリゲスの企画グループの1つ。環境問題に向き合いながら、学生ならではの自由な発想で社会にアクションを起こすことを目標に、回収したペットボトルのキャップを再利用して、クシやストラップづくりのワークショップを年間20回程度、開催しています。

以前スーパーデリバリーが、それぞれのお店や活動に込められたエシカルな想いについてインタビューしたことがきっかけで、学生サークルのワークショップをお店で開催してみたらどうかな?と思い、地域のコミュニティーを大切にされているお店にお話を持ちかけたことがはじまりです。

ごみ拾いで身近な問題に気づき、ワークショップでリサイクルの楽しさを知る

今回のイベントは日曜の午後、「Gift Communication」さんのお店のすぐ近くにある町会会館をお借りして開催。「楽しくリサイクルを知ってもらうこと」をテーマにした参加型のワークショップです。

参加者はグループに分かれ、
・地域のごみ拾い
・ペットボトルのキャップを素材にした、クシやストラップづくり
を行いました。

まずは地域のごみ拾いから。
大人、高校生、小学生が混ざり、10名ほどのグループで出発しました。

参加者からは、
「意外とお菓子の袋のごみって多いんだな」
「たばこの吸い殻のポイ捨てって、キリがないほど落ちてる…」
「木の根元とか花壇とか、ちょっと見えにくいところってごみが溜まってるね」
といった声が聞かれました。

初対面にもかかわらず、「ごみ拾い」を通して自然と会話が弾みます。
「街をきれいにする」という「共通のミッション」が、そうさせるのかもしれません。

「燃えるごみありました!担当の袋の方、お願いします~!」と声を掛け合ったり、「これは燃えるごみ?それともプラスチック?」と、ごみの分別について確認し合うのも会話の起点になりました。「ごみ拾い=汚いものを拾う」というネガティブなイメージではなく、仲間と宝探しをしているような楽しい時間でした。

ごみ拾いを終えて、つぎは「Precious Plastic Waseda」さんのワークショップを体験。今回は、専用の機械を使ってペットボトルのキャップからクシ、もしくはストラップを作ります。

最初に「Precious Plastic Waseda」さんが行っている活動について説明がありました。

活動に使うペットボトルのキャップは、早稲田大学の構内に設置された回収ボックスで集め、丁寧に手で洗浄し、色ごとに分けるなどの事前準備をしているそうです。

今回のワークショップで作ったクシの場合、CO₂削減は1本あたり約29.9g。これは、1本の木が1日に吸収するCO₂の量とほぼ同じだそうです。捨ててしまえばごみになるものも、資源として循環させてクシにすれば、CO₂の排出を抑えられます。さらに、世界に一つだけの愛着のわくアイテムに生まれ変わるのは素敵ですね。

また、リサイクルのワークショップをしているだけでなく、具体的なCO₂の削減量まで説明してくれるのは、学びにもつながります。リサイクルした結果がどうなるかを知る機会が少ないからこそ、ワークショップで作るクシがどのくらいの良い影響力を持つのかを知ることで、製作へのワクワク感も高まります。

そして、待ちに待ったリサイクルクシを作るワークショップに挑戦です。

ペットボトルのキャップ7個分を、投入口から入れます。

粉砕したペットボトルのキャップは、3つのヒーターを通過し溶けて金型に向かって流れていきます。ヒーターの温度は250度でかなりの高温です。

事前の説明で、クシは大人でもかなり力を入れる必要があるとのことでしたが、実際に体験してみるとレバーがなかなか下がりきらない…。レバーにぶら下がるように全体重で力をかけるのは、想像以上に重労働でした(でも笑顔になっちゃう楽しさでした!)。

そんな心地よい筋トレのような体勢をキープし、「Precious Plastic Waseda」の学生さんが「5・4・3・2・1…」とカウントダウンをしてくれて、金型への流し込みは完了。レバーを下げる時間自体は1分程度で、あっという間に完成です。

実際に作ったリサイクルプラスチック製のクシがこちら。

今回は白と水色のペットボトルのキャップを使い、この世で一つだけのオリジナルデザインが完成です。
参加者が順番に製作し、金型をパカッと開くたびに「お~」と歓声があがります。一つずつ異なる美しいマーブルデザインに、みなさん感激している様子でした。

金型から外した直後は、素手で持つのが難しい熱さ。

早く手に取って見てみたいと思いつつ、冷えるのを待ちながら、完成した自分だけのクシを眺めます。

完成品には、「環境ロドリゲス」と「Precious Plastic Waseda」のロゴ入りのオリジナル帯を付けてくれました。実は、「COMB(クシ)」と「MELT(溶ける)」を掛け合わせた、「COMEL」というブランド名で完成品として販売もされているそうです。

最後は、チーム対抗で制限時間内にペットボトルのキャップを積み上げるゲームが行われました。

子どもも大人も真剣な眼差しで、どうやったら高く積み上げられるのか相談し、戦略を立てつつ、慎重に重ねている姿が微笑ましく、楽しいひとときでした。シンプルなゲームだからこそ、真剣勝負って盛り上がるんですよね。

「ごみ」も「リサイクル」も楽しんで理解すれば、向き合い方が変わる

ごみ拾いやリサイクルは「環境のために頑張るもの」と思われがちですが、今回のイベントでは、子どもから大人まで、初対面同士でも、自然と笑顔で取り組んでいたのが印象的でした。楽しんで体験したからこそ、ごみの多さやリサイクルの意味が、知識ではなく実感として残ったように思います。

また、このイベントは「お店」が地域と学生をつなぐ場になったことにも大きな意味がありました。地域の人が集まり、一緒に学び、楽しめる場所になることは、お店運営の背景にある想いを伝えるきっかけにもなります。

地域のイベントや学生団体との連携は、エシカルなお店づくりを考えている方にとって、取り入れやすい一歩です。「Gift Communication」さんのように、まずは身近な地域とのつながりから始めてみたり、お店のコンセプトと親和性のあるワークショップを組み合わせて、イベントの幅を広げてみたりするのも良いかもしれません。お客様と時間や体験を共有することが、来店のきっかけづくりや、お店のファンを増やすことにもつながっていきます。地域の中にあるお店としての運営を考えるヒントになれば幸いです。

◆「Gift Communication」
住所:東京都大田区北馬込2-31-6 東京イン1階(都営浅草線 馬込駅すぐ)
営業時間:平日 15:00~21:00/土日祝 12:00~21:00(不定休)
オンラインショップ:https://gift-communication.shop/
Instagram:@giftcommunication

◆早稲田大学学生環境NPO環境ロドリゲス「Precious Plastic Waseda」
ホームページ:https://www.preciousplasticwaseda.com/
Instagram:@preciousplastic_waseda
X:@PPwaseda

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