近年、訪日外国人観光客(インバウンド)の増加に伴い、飲食や小売の現場では「どう接客するか」が問われています。
浅草といえば、日本を代表する観光地でインバウンドが多数訪れる場所。そんな浅草でいま注目を集めているのが、熊本の食文化を発信するアンテナショップ『出町久屋』です。
ここでは、単なる商品の販売ではなく、体験を軸にした接客が世界中の旅行者を魅了しています。

フンドーダイが展開する『出町久屋』は試食で商品の魅力を伝える
熊本で150年以上醤油を製造しているフンドーダイが、東京や海外向けに商品を発信していく場所として2022年12月に東京浅草にオープンしたのが出町久屋です。透明醤油などの画期的な商品から味噌、ポン酢などの調味料、お酒、そのほか地元熊本の美味しいものを紹介しています。
特徴的なのは、来店客に必ず試食をしてもらうスタイル、ということ。
「味を知っていただくという工程を大切にしています」と言うのはスタッフの濱崎さん。
実際に味わうことで、商品の魅力が記憶に残り、購入につながるそうです。
店舗にはインバウンドのお客様が多数来店されており、特徴的なのは、北米・欧州・アジアと幅広い国から来店があることです。特にイスラム圏からのお客様が増えているそうで、ドバイなどイスラム圏では和食レストランや寿司屋が増え、和食や日本文化の浸透が来日数の増加につながっているようです。
インバウンドでの人気商品は“日本らしさ”+“珍しさ”
インバウンドのお客様からどの商品が人気なのかを伺いました。
濱崎さん:海外のお客様に人気なのは、透明醤油やゆずを使った調味料、わさび関連商品です。「醤油=黒」というイメージが強い中、透明醤油は驚きとともに大変好評をいただいています。さらに、グルテンフリー対応や添加物ゼロなど、欧米などの方に多い健康志向へのニーズにも応えています。

本醸造醤油の芳醇な香りを味わうことのできる『透明醤油』
ーー海外の方にも醤油=黒という認識があるのですね。和食の広がりを感じます。
濱崎さん:また、ゆずやわさびは『日本らしさ』を象徴する食材です。特にゆず胡椒は「タバスコより美味しい!」と評判で、ステーキやサラダに合わせるなど、海外ならではの使い方も広がっています。

人気の高い柚子を使った『柚子舞うぽん酢』。透明醤油をベースに、九州産柚子の果皮・果汁を使用しています。

柚子やわざびを使った人気商品。『ゆずホットソース 』、『わさびオイル』、『粒柚子こしょう』
旅行者を魅了する、価値ある体験の提供と接客
取材の間もインバウンドのお客様がひっきりなしに訪れ、楽しそうにショッピングされていました。インバウンドのリピート客の方も多いそうです。その秘訣の一つは、試食を通じて記憶に残る体験を提供しているから、と思います。
また、もう一つのポイントは接客です。出町久屋の接客は、商品の紹介などの単なる説明にとどまりません。
スタッフの方がそれぞれの国の食文化や好み、イスラエルなら辛味、ハワイなら甘めが好きなどを把握し、お客様に合わせたレシピを紹介するなど、臨機応変に接客内容を変えて提案されています。
そのために心地よいショッピングの時間を過ごすことができます。
また、NFCタグ*を利用し多言語にも対応されています。商品に付いたタグをスマホで読み取りすると、その国の言語でレシピや使い方が表示されます。もちろん帰国後も活用できるのでレシピや商品説明をいつでも調べることができます。
*NFC(近距離無線通信)技術を使った小さなICチップ、スマホなどをかざすだけで情報読み取りや簡単な動作ができる非接触型デバイス


購入されたお客様へSNSのフォローもおすすめしていました。インスタグラムでレシピ動画を発信しているそうで、購入後のフォローも万全です。

おわりに
いまや訪日外国人観光客の消費行動は、モノ(商品)からコト(体験・経験)へシフトしています。
試食という記憶に残る体験と細やかで丁寧な接客、デジタルを活用したフォローによって、出町久屋はその最前線を走っていました。
出町久屋
東京都台東区西浅草2丁目25−9

■小売・飲食店などの事業者の方
フンドーダイの商品は仕入れサイト『スーパーデリバリー』で仕入れ可能です。
インバウンドのお客様の多い小売業や飲食店の方、ぜひ一度チェックしてみてください。




