2024年5月15日に日本政府観光局より発表された資料*によると、4月の訪日外客数は前年比56.1%増の300万人を超え、コロナ前を上回る過去最多を更新しました。今後もさらなるインバウンド需要が期待されています。
そこで今回、スーパーデリバリーで仕入れをしている実店舗運営者を対象に、訪日外国人旅行者の来店動向や人気商品の特徴などに関する調査を実施しました。回答者の業種は雑貨、服飾雑貨、アパレル、食品・飲料、日用品、家具・インテリア、その他です。小規模な店舗が中心で、所在地は28都道府県にまたがっています。
*日本政府観光局「訪日外客数(2024年4月推計値)」https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20240515_monthly.pdf
目次
インバウンド購買に関する実態調査
各設問別に、実店舗のインバウンド購買に関する実態調査の結果についてご紹介します。
外国人旅行者の来店・購入は、半数以上(51.9%)の店舗が「ある」と回答
「ある」と回答した店舗は特に雑貨をメインに販売するところが多く、全体の47.8%を占めていました。次いでアパレルをメインに扱う店舗が34.3%、服飾雑貨をメインに扱う店舗が23.9%の割合でした。なお、前回2023年10月に実施した調査では、同じ設問に「ある」と回答した割合が46.3%でした。半年間で約5ポイント増えており、地域の小規模店もインバウンドの増加を体感していると考えられます。
設問1で「ある」と回答した事業者のうち、半数近く(49.3%)が外国人旅行者のニーズを意識して仕入れ
「常に意識している」20.9%、「時々意識している」28.4%と、合わせて49.3%が外国人旅行者向けの仕入れを意識している結果となりました。
人気の商品ジャンルは、47.8%が「雑貨」と回答
雑貨としては、筆記具などの文房具をはじめ、日本の扇子や箸、陶器類、ご当地キャラや観光名所の絵が描かれたもの、キャラクターグッズ、ぬいぐるみ、伝統工芸品などが特に人気という声が集まりました。
次いで「アパレル」が34.3%、「服飾雑貨」23.9%、「食品・飲料」が22.4%でした。人気商品としては、アパレルはリサイクル着物やキャラクターのTシャツ、服飾雑貨はねこグッズやバッグ、下駄や草履、日本製の革靴などがあげられました。
また食品・飲料は、地元の酒やコーヒー豆、ヴィーガンのインスタントラーメン、緑茶などが人気のようです。なかには「日本のアニメで見たようなお団子を求めて買いに来るお客さんもいる」という声もありました。
人気商品の特徴は「伝統的な日本らしさ」が最多で37.3%
「伝統的な日本らしさ(富士山や桜、和柄、日本語等)」に次いで、「品質の良さ」「デザイン性」がともに32.8%、「リーズナブルな価格」22.4%、「珍しさ」19.4%という結果となりました。
スーパーデリバリーでも、日本の技術が詰まった高品質なもののほか、かっこよさを感じる和風デザインや可愛らしい動物やキャラクターが描かれた商品、レトロなデザインや日本の四季・風情を感じられるデザインが人気です。レトロ関連の商品の受注額は前年比1.8倍に伸びています(2023年4月と2024年4月の比較)。
よく売れる価格帯は、「1,001円~5,000円」が56.7%と最多
「リーズナブルな価格」も人気商品の理由のひとつにあがっていたように「~1,000円」が26.9%で、5,000円以下が約8割を占める結果となりました。「5,001円~10,000円」の10.4%も含めると10,000円以下の商品の価格帯が全体の9割を占めます。お土産として購入されることが多いため、気軽に購入しやすい価格帯の商品を取り揃えておくとインバウンド需要に対応できると考えられます。
■調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年4月15日~2024年4月21日
調査対象:スーパーデリバリー会員事業者 147名
業種:雑貨、服飾雑貨、アパレル、食品・飲料、日用品、家具・インテリア、その他
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