沖縄県・座間味島にある「105ストアー」は、観光客と島民のどちらにも親しまれているお店です。

お店の根底にある想いは30年前から変わっていません。それは、島で暮らす人たちの生活を支えることです。30年前、島民が生活用品や食料を買うためには船で那覇まで渡り、一泊しなければならなかった時代に、その不便を解消するために生まれました。

現在は外国人観光客を中心に多くの来店客でにぎわう一方で、開業当初から大切にしている役割は変わっていません。島民の方から「これが欲しい」と相談があれば、利益にならなくても仕入れる。観光客による売上を、島民の暮らしを支えるために還元する。そんな独自のスタイルを続けています。

今回は、約10年前にお店を引き継いだ田村さんに、105ストアーの成り立ちや商品選びへの考え方、スーパーデリバリーの活用、そしてこれからも守り続けたいお店の姿についてお話を伺いました。

座間味港から徒歩5分ほどの場所に位置する島唯一のスーパーマーケット「105ストアー」

島の不便をなくすために始まった店

──まずは、105ストアーの開業経緯を教えてください。

田村さん:このお店は30年ほど前に叔父が始めました。当時はまだ座間味島が今のような観光地ではなかったんです。

──当時の島の暮らしは今とは違ったのでしょうか?

田村さん:全然違いましたね。何か一つ買うにも那覇まで船で行って、一泊して帰ってくる必要がありました。時間もお金もかかるので、島の人たちにとっては大きな負担だったと思います。そうした島民の暮らしを支えるために始めたのがこのお店です。

店内には日用品を中心に幅広い商品がびっしりと並ぶ

──今では当たり前に手に入るものも、簡単には買えなかったんですね。

田村さん:そうなんです。だから叔父は「島の人たちがもっと便利に暮らせるように」という思いで、このお店を始めたんだと思います。

──その想いは今も受け継いでいるんですね。

田村さん:そうですね。形は変わっても、「島民の生活を支える」という目的は今でも変わっていません。

──田村さんがお店を引き継がれた経緯も教えていただけますか?

田村さん:10年ほど前、叔父が70歳くらいになって後継者を探していたんです。私は当時、内地で会社員をしていたんですが、ご縁もあってこのお店と、同じ座間味島にある民宿みやむらを引き継ぐことになりました。

──民宿も一緒に運営されているんですね。

田村さん:はい。民宿みやむらは、もともと祖父母が営んでいた宿で、叔父が20年ほど前に建て替えました。今はお店と民宿の両方を運営しています。

105ストアーから徒歩2分ほどの距離にある「民宿みやむら」

観光客の売上が、島民の暮らしを支えている

お店入り口付近には観光客向け商品を陳列

──現在は観光客の方もかなり増えたそうですね。

田村さん:そうですね。今は外国人観光客が全体の6〜7割くらいを占めています。

──開業当時と比べると、島の様子も大きく変わったのではないでしょうか。

田村さん:本当に変わりましたね。今は観光シーズンになるとお店がかなり混雑します。うちは店舗も広くないですし、レジも一台しかないので、正直さばき切れないくらいです(笑)。

──売れ筋商品はありますか?

田村さん:一つの商品というより、お酒、お菓子、アイスですね。観光客の方はこの3つを買われることが多いので、お店の売上を大きく支えてくれています。

──SNSなどでの集客はされていますか?

田村さん:していません。今の集客で十分なんです。むしろお店のキャパシティ以上に来ていただいているくらいです。

──競合店も少ないそうですね。

田村さん:島の中では同じような業態のお店はありません。だから私たちとしては集客よりも、「来てくれた人の要望に応えること」の方が大事ですね。

冷凍冷蔵食品も豊富に揃う

──観光客が多いことで、お店にも変化はありましたか?

田村さん:大きいですよ。観光客の方がたくさん買ってくださるおかげで、その利益を島民向けの商品価格に還元できています。

──具体的にはどのような形で還元しているのでしょうか?

田村さん:生活必需品ですね。できるだけ安く提供したいと思っています。島民の方から「これが欲しい」と言われた商品も、利益にならなくても仕入れることがあります。

──売れるかどうかではなく、必要かどうかを優先しているんですね。

田村さん:そうですね。やはり島民の生活を支えるための店なので、そこは大事にしています。観光客の方には本当に感謝しています。今は観光客の方々のおかげで島民向けの生活必需品の価格を維持できています。

──コロナ禍のときはいかがでしたか?

田村さん:観光客が完全にゼロになりました。でも、島民の皆さんが変わらず利用してくださったおかげで、その年も赤字にはならなかったんです。

──それは大きな支えでしたね。

田村さん:本当にありがたかったですね。改めて、この店は観光客だけで成り立っているわけじゃなくて、島民の皆さんに支えられているんだと実感しました。

お弁当や沖縄のソウルフード「ポーク玉子おにぎり」も販売

座間味島で取れる山桃を使った105ストアー限定の「山桃酒」

離島のニーズに応える仕入れとスーパーデリバリー

──スーパーデリバリーをどのように知りましたか?

田村さん:離島向けの仕入れ先を探していたときですね。島で必要な商品を揃えるためにネットで調べている中で見つけました。

──どのような商品の仕入れに活用されていますか?

田村さん:主には洗剤や日用品などの雑貨類の仕入れに活用しています。

──離島ならではの課題もありますか?

田村さん:ありますね。特に物流の2024年問題以降は、大手メーカーとの取引が難しくなったケースもありました。例えば、それまで仕入れられていた商品が仕入れられなくなったり、条件が変わったり。離島はどうしても本島より不利になってしまう部分があります。だからこそ、新しい仕入れ先を見つけられるスーパーデリバリーの存在は本当に助かっています。

1商品の種類数は最低限に抑え、できるだけ多品目揃えることを意識

──普段はどのように商品を探しているのでしょうか?

田村さん:パソコンでスーパーデリバリーを開きっぱなしにしていますね(笑)。仕事の合間に見たり、家に帰ってお酒を飲みながら見たり。テレビを見るような感覚で見ています。

──毎日のようにチェックされているんですね。

田村さん:ほぼ毎日ですね。暇があれば見ています。検索もしやすいですし、商品も探しやすいので、新しい商品がないかつい見てしまいます。

──気になった商品はどのように管理しているのでしょうか?

田村さん:検討中リストはあまり使わないですね。気になったらとりあえずカートに入れています。そのまま商品をどんどん貯めていって、「そろそろ発注しようかな」というタイミングでまとめて注文します。離島なので頻繁に少量発注するより、ある程度まとめて仕入れることが多いですね。

──長く利用されている理由はどこにあるのでしょうか?

田村さん:シンプルに使いやすいからです。商品の探しやすさや画面の見やすさも含めて、自分にはスーパーデリバリーが一番合っていると感じています。

大切なのは、島で必要とされ続けること

座間味島の透明度抜群の美しい海!

──今後の展望を教えてください。

田村さん:今の形で10年ほど続けてきて、自分がやりたかったお店には近づけていると思います。来てくださる方一人ひとりの要望に応えられる店であり続けたいですね。

──これまでお話を伺っていると、「売れるものを売る」というよりも、「必要なものを届ける」という姿勢が印象的でした。

田村さん:観光客の方が来てくださることで生まれた利益を、島民向けの商品やサービスに還元する。この仕組みをこれからも続けていきたいと思っています。

──観光客の方と島民の方、どちらも大切にしているからこそ成り立つお店なんですね。

田村さん:島にはお金に余裕のある方ばかりではありません。だからこそ、少しでも生活の支えになれる店でありたいですね。

──これからも座間味島のみなさんの暮らしを支えるお店であり続けられるよう、私たちもお役に立てれば幸いです。本日はありがとうございました!

105ストアー

住所:沖縄県島尻郡座間味村座間味110
営業時間:7:00~20:00

WEBサイト:https://minsyuku-miyamura.com/105store/

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