一度のご来店を次の来店へとつなげるお客さまへのお礼状。
「ありがとう」を伝えるときはいつも緊張して何を書けばいいのか迷ってしまう…。次へのステップを考えると、身構えてしまう…そんな方…実は多いんです。
何より送ったあとに想像するだけで一番怖いのは、無言のポイ捨て。お金と時間をかけて書くお手紙は、できるだけ読んでいただきたいですよね。
今回は、お客さまに「またあのお店に行きたいな♪」そう思っていただける、お礼状の書き方3つのポイントをお伝えします。
目次
そのお手紙は誰から?あなたの写真と名前を載せよう
突然ですが、質問です。
「3週間前の今日の曜日のランチに食べたものは何でしょう?」
いきなり、そのような質問をされても、大半の方はこの質問に答えられないはずです(ちなみに私は覚えていません)。人は基本的に忘れる生き物です。まずは「あなたが誰で」「どこでお逢いした人」か思い出してもらうために、顔と名前はしっかりと載せていきましょう。顔写真付で送ることにより、その時の情景、空気感、お話ししたことまで鮮明に思い出すことができます。
文面はていねいに、心を込めて書こう
「お礼状」を書く上で一番大切なのは、「ありがとうございます。」という感謝の気持ちです。せっかくいただいたお手紙も、たった一言のそっけないお礼文と、次回のフェア・催事のご案内やお店の宣伝で包まれていたら、受け取ったお客さまは「なんだ…売り込みのお手紙かよ。」という風に気持ちが冷めてしまいます。そんなお手紙は、一瞬でポイ捨てされています。
ポイ捨てされないお手紙を書くためには、心のこもった中身が大事。
「お礼状」はあくまでも「ありがとうございます。」の気持ちを伝えるものです。できるだけ、爽やかに印象よくお伝えするために、下記のような文章校正を参考にしてみると良いかと思います。
お客さまの心をつかむ忘れちゃいけない5つの文章のポイント
(1)簡単なご挨拶
「先日はご来店ありがとうございます。」など簡単なご挨拶で十分です。時間が経過したときなどは、「季節のご挨拶」や「最近の日常でご自分が感じられたこと」などちょっとした世間話も交えてみると距離感がぐっと縮まります。
(例:市村さま 先日はSHOPラクーンにご来店いただきまして、ありがとうございます。)
(2)過去(お店の中で)のお客さまと過ごした時のお話
お手紙を書いている今の状態を現在として考え、お客さまと過ごした出来事は「過去」です。そのときお話しされたエピソードやお客さま個人の印象など、できるだけお客さまを主体とした想い出を書くことで興味を惹いていきます。
(例:ご来店時は市村さんの趣味などたくさんのお話をお聞かせいただきました。)
(3)その時を振り返った現在のあなたの感想
お客さまとのエピソードを振り返って、今あなたが思っている心情を書きましょう。「私は、○○と感じました。」その時には必ずあなたの気持ちを書いていますよというのが伝わる主語を忘れずに書くことです。
(例:市村さまは、落ち着いた印象だと私は思いましたが、電車でのご旅行がお好きな話など伺い、アクティブな週末を過ごされているご様子が今でも印象として残っております。)
(4)締めくくりはお客さまの未来予想でおわる
レターの最後はどうしても、「ぜひまたご来店ください。」「○○するので、オススメですよ。」と売り込みたくなるのが、商売人です(苦笑)。ただ、ここはグッと気持ちを抑えて、お客さまのことだけで締めくくりましょう。
(例:少しずつ春の爽やかな日も増え、先日のストールやお帽子もお出かけの際に市村さまの電車旅行の思い出とともに活躍されそうですね♪訪れる地域の景色とともに、素敵な笑顔の思い出がたくさん増えますように…。)
(5)書き手の名前
お店の名前よりも、あなたの名前を覚えていただく。また「○○さんにお逢いしたいな…。」そう思っていただけるように、きちんとお名前は書いておきましょう。
(例:SHOPラクーン ごとー)
(参考文献:「見込客」を「成約客」に育てる”お礼状”の書き方・送り方 著者:山田文美 出版:同文館出版)
不器用でもいいから「感謝の気持ち」を伝えることが大事
最後は、当たり前ですが、お手紙の文面も写真も「盛りすぎ」「飾りすぎ」「綺麗すぎ」はNGです。きれいに取り繕ったお手紙よりも一生懸命書いた不器用な文面のお手紙のほうが「ありがとうの気持ち」がずっと伝わります。
写真は、「リアルなあなたの笑顔な写真」。文面も、「不器用でも良いので、ていねいにお伝えしようという気持ちがこもったあなたのコトバ」で書きましょう。
心のこもったお礼状のその先には、きっと、お客さまとの素敵な関係性ができるはずです。
心づかいひとつで「お礼状」を通じたお客さまとの距離感はグッと近づきます。
気軽に試せそうなポイントがあれば、参考にしてみてくださいね。