教えて先輩！「京成小岩クラフト酒店」の居心地のいい場所を生み出すコンセプトづくりを学ぶ！

これからお店を開業する方のサポート担当、イッチーです！

夏本番！ビールが美味しい季節ですね！（私はもちろん年中ビールの季節ですが）

ということで今回は、今話題のクラフトビールを扱うお店へ。京成小岩駅から徒歩1分、その名も「京成小岩クラフト酒店」にお邪魔してきました！

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オーナーの池田大輔さんです。オリジナルの前掛けと「RUN FOR BEER」のTシャツが気になります。

1 クラフトビールと日本のワイン、そしてご近所の旨いものがそろった、「酒屋」です
2 コンセプトは「女子がスウェットで飲める店」
3 これから開業する人へ、「やったらいいと思います！」

クラフトビールと日本のワイン、そしてご近所の旨いものがそろった、「酒屋」です

「40歳になる頃には何かやろう」と思っていたサラリーマン時代。漠然と「やるならビールに関することだろうな」と思ってはいたものの、少しビールから離れていた時期もあったとか。それでも、一貫して好きだったのは「酒屋」。

（池田さん）
本当にいい酒屋さんって、商品の紹介もすごく丁寧で、POPがあったり、小冊子にまとめていたり、そういうものを見ているだけでもすごく楽しいんですよね。お客さんにちゃんと伝えて、買って帰ったら超美味しい、みたいな。それって商いとして本当に良いものだなと思っていたんです。

― ビールやワインで開業するというと、バーなどの飲食店のイメージ。酒屋は昔からやっているお店だけで、新規オープンするイメージがあまりないのですが…。

（池田さん）
そうですね。酒販店を開業した店舗の一覧を国税庁のサイトで見られるんですが9割方がスーパーやコンビニです。それこそ、クラフトビールは今こんなに流行っているのに、飲食店ばかりオープンして何で酒屋がオープンしないんでしょうね～。

― うーんたしかに…。

（池田さん）
でも一方で、その理由も良く分かる。利益率が低いんです。かつ賞味期限もあるので、やってられんって言うのはわかるんですよ。例えば、ある輸入ビールは賞味期限が90日。でも日本に入ってくるまでに30～45日に経っているんです。だから店に並ぶ時点であと3週間くらいになってる。普通にやったら無理だからやらない、って言うのも分かるんです。

― そういう事情もあるんですね。

（池田さん）
だから、飲食も一緒にやらざるを得ないなということは、開業しようと思った時点から決めてました。「飲める酒屋」ということで、購入したビールを店内で飲むことができます。

― 角打ちですね！（※）

（池田さん）
冷蔵庫から出してその場で飲むっていう、遊び要素として角打ちを楽しんでもらえるなと。お店でその場で食べるって、なんかちょっと違和感というか、浮かれちゃう感じというか、とっても楽しいですよね。

―　クラフトビールと日本のワイン、もう一つのコンセプトとしてフードは「ご近所の旨いもの」ですよね。これは地元を盛り上げよう！ということからですか？

（池田さん）
最初は缶詰を置こうと思ってたんですが、ちょっと味が濃いし、クラフトビールに合わせるとピンとこなくて。それで商店街をくまなく探してみたら、美味しくてお酒にも合うものが色々見つかった。そんな後付けコンセプトですが、今は勝手に「京成小岩のアンテナショップです」って言ってます（笑）

（※角打ち：酒屋の店内の一角でお酒を飲むこと。冷蔵庫などから商品を取り、セルフ形式で楽しむこと。）

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右に行くほど苦い！極力シンプルに分かりやすくを心がけた商品提案は、あまりビールに詳しくない人にも気軽に楽しんでもらえるように。「細かく聞かないと分からないんだったら、面倒くさくて買いたくないじゃないですか。うんちくばかりで『結局なんだろう？』てことになるとビールにとっても不幸ですよね。」

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「店の人としゃべりながら買い物をしたい日もあれば、気分的にダウンな感じであまりお店の人と話したくないけど、何か美味しいものを買って帰りたい日がある。喋らなくても自分で見て、楽しんで買えることも大事にしたいと思って。」POPも肩肘張らず、お喋りしているような文体が楽しいです。

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フードを扱う商店街のお店も案内。気にいったら足を運べるように。「ゆくゆくは商店街でイベントもやってみたい」と話すオーナー池田さんの小岩愛が随所に！

コンセプトは「女子がスウェットで飲める店」

6年前、スナックなどが軒を連ねる袋小路の細い路地に、元理容室「バーバーキムラ」の物件を見つけた池田さん。路地に漂う入りづらい空気と、物件の不思議な魅力に惹かれて何度も往復してしまったとか。

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とはいえ30年前はにぎわっていたこの商店街も、今では営業しているお店もまばらに。周囲に「京成小岩で商売するのはやめた方がいい」と言われても、この街の面白さを信じて開業を決意。ちょうどその時、まるで運命のように、京成小岩を好きになるきっかけとなった理容室が募集に出たことで即決しました。

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勇気を出して路地に入ると、右側奥から2番目にお店があります。

― この入りづらい路地と、おしゃれ感が絶妙なバランスですよね。

（池田さん）
テーマは「女子がスウェットで飲める店」です！例えば、子育てが一息ついた女性がジムの帰りにぷらっと飲みに来てほしいなとか、そんなイメージ。最近は女性が1人とか2人で立ち寄ってくれたり、少しずつ思っていたものに近づいてるなという手ごたえが出てきました。

― まさにそんな感じ！特に、1階ガラス窓のイラストや2階の壁画が可愛いですね。

（池田さん）
店を始めるにあたって一番最初に連絡したのが、ビールをテーマに絵を描いているアーティストのTOAさんですね。まだ物件も決まってなかった時点で、「絵を描いて下さい」ってお願いしました。

― そしてディクラッセの照明もおしゃれでピッタリなんです。

（池田さん）
ビール仲間に「照明番長」と呼んでいる照明屋さんがいるので選んでもらいました。ちょっとシャレオツ感が出すぎるかなという懸念もあったんですが(笑)すごくいい感じになりましたね。おしゃれすぎちゃうと、今度はそれはそれで入りづらい人が出てきちゃうし、俺もどっちかって言うとそっち側だから。でも、もう少しダサい方向に調整をかけようと思ってます(笑)

― ダサい方向に調整 (笑)

（池田さん）
心地よさと清潔感は保ちつつ、ちょっとダサい感じをキープしておきたい。誰でも入ってきて欲しいけど、酔っぱらったおじさんが分からずに入ってきちゃうよりも、むしろ「なにこれ？」とのぞきこんで来店してもらう方が楽しんでもらえる商品でもありますしね。そう思うとこの場末感が駅徒歩1分、俺にとっては奇跡のロケーション (笑)

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2Fは全部DIYで、壁画と照明をのぞけば3～4万円で出来たそう。壁には珪藻土を塗り、床は1階のあまりを敷いた。扉の枠は100円ショップで木目テープをびーっと貼っただけ。よく見ると空気入ってますよ！でもそこが良い！

これから開業する人へ、「やったらいいと思います！」

― いつか開業したい、と思った人に「今からこれをやっておくと良いよ」というアドバイスはありますか？

（池田さん）
う～～ん（しばし熟考）、厨房機器や中古家具店をなんとなくのぞいて、ざっくりモノの値段のイメージを持っておくとか。お店は、安いものを揃えても出来るし、お金をかければちゃんとしたものが手に入る。でも自分が使えるお金って限られているわけだから、モノの上と下の値段をなんとなく把握しておくと少しは進めやすいんじゃないかな。

― リサーチしてためておいた知識がいつか役に立つことがあるかもしれませんね。

（池田さん）
あとはやれるんだったらバイトするとか、ビールならビアフェスでボランティアをしてみるとか、興味があるものにはちょっとでも手を付けておくことかな。飲食店経験がなかったので開業前に短期間バイトをしたんですが、お皿の洗い方、接客の注意点、タップの洗浄とかも、やってみないと分からないことの貯金が増えると思います。

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