教えて先輩！フクロウカフェバーの開業は山あり谷ありだった！

これからお店を開業する方のサポート担当、イッチーです！

最近巷でちらほら耳にする「フクロウカフェバー」の存在。
フクロウと触れ合いながら食事などを楽しめるそうですが、そんなの癒されるに決まってるじゃないですか～。

でもブームだからと言って、そう簡単に開業できるものじゃないですよね・・・？
ということで、昨年12月25日クリスマスにオープンしたばかりの「piccolo gufo（ピッコログーフォ）」のオーナー坂久美子さんに聞いてきました！

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中延駅より徒歩5分。人情味あふれる中延商店街のクリーニング屋さんの2階から感じる視線…あの影はもしや！

1 フクロウカフェ、普通のカフェと違うところは？
2 ひと山超えたら、またひと山・・・苦難の連続は結果オーライに！
3 少し特殊なコンセプトでも、やっぱり「店舗めぐり」がヒントに
4 開業を目指している方にアドバイスを！

フクロウカフェ、普通のカフェと違うところは？

― オープンおめでとうございます！フクロウカフェはまだまだ珍しい業態かと思うのですが、何かフクロウにまつわるお仕事を目指していたんですか？

（坂さん）
飲食店をやりたい、という事が先ですね。フクロウは元々主人が好きでずっと飼っていたんですが、開業するとフクロウにはずっとお留守番をさせてしまって、一緒にいる時間が無くなっちゃいますよね。だったら、ブームという事もありますが、フクロウと一緒にいられる仕事をしようと思って、このお店のコンセプトになりました。

― 開業準備は・・・まず何からはじめれば良いのでしょうか？

（坂さん）
まず資格関係ですね。動物を展示や販売するお仕事には、「第一種動物取扱業」という登録が必要になります。まずはそのための資格を取得するところからですね。（各都道府県の動物愛護センター管轄。第一種動物取扱業の登録申請には、「動物取扱責任者」の資格が必要です。）また、カフェを運営するにあたって食品衛生責任者の資格も必要ですね。

―　動物は命あるもの。当然、ブームだからといって簡単に開業できるわけじゃないんですね。知識や経験、そして愛情があってこその癒し空間です。

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びっくりさせないように触れる方法を教えてもらい、優しくタッチ。ふわふわで可愛すぎる・・・！

ひと山超えたら、またひと山・・・苦難の連続は結果オーライに！

（坂さん）
資格取得後、物件探しを始めたものの、動物を入れると言うと難色を示す大家さんが多いので大変でした。不動産屋さんでも冷たくあしらわれたりしましたね、「フクロウなんて無理」と・・・。

― なるほど、そういう問題があるんですね。

（坂さん）
物件探しと平行して融資を受ける準備もしていました。フクロウたちを展示するバードルームの設置には、どうしても内装費がかかってしまって。でも相談したある窓口では「焦らないで自分で資金を貯めて開業しなさい」と諭されてとぼとぼと帰ったりして・・・。その後、主人が税理士さんに相談したところ色々とアドバイスをいただいて、日本政策金融公庫へ融資の相談をすることができました。

― ホッ。良かったです。

（坂さん）
でも、物件も融資も決まったと思ったら今度は最初に見積もりを取っていた内装業者に「ちょっと手一杯だから二か月待ってくれ」と言われて・・・。

― ええーーー！！

（坂さん）
二か月も待ったら家賃だけが発生してしまう。そこで別の内装業者さんをあたったんですが、内装にしても「フクロウカフェ？何ですかそれ」というところが多いんですね。でもそこではラッキーなことに「猫カフェの、フクロウ版ですよね？」とすごくよく調べて下さって。

― おおっそれは頼もしい！プロの仕事ですね。

（坂さん）
女性のデザイナーさんだったんですが、女性のお客様も来やすいようにと、細かい部分まで気を配ってデザインして下さって。当初の予定より見積りは上がってしまったんですが、より良いものになって結果良かったなと。プラスに考えることが出来ました！

― 内装業者は夢を実際に形にしてくれるパートナーですもんね。結果オーライで良かったです！

ちなみに、この出会いを演出したのが、店舗出店や改装をしたい方と、デザイン会社とのマッチングサイト「店舗デザイン.COM」。
このサイトにご主人が「こんなカフェをやりたいんですが、相談に乗って頂けませんか？」と書き込みを掲載したところ、数社から見積もりを取る事が出来たとか。

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木と緑のあたたかな雰囲気の店内。バードルームのフクロウ達を真横に見ることができます。
商店街を見下ろしていたあの子もいました！しぐさがコミカルで、ずっと見ていても飽きません。

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「おひとりでご来店の方もゆっくりくつろげるスペースを作りたかった」というコンセプトでカウンター席も。
男女問わず一人様でもくつろげる設計です。

少し特殊なコンセプトでも、やっぱり「店舗めぐり」がヒントに

― 書店に行けば「カフェを開業するには」というような本はたくさんありますが、フクロウカフェを開きたい場合・・・どうしたら良いのでしょう？

（坂さん）
他店のフクロウカフェさんに何件か伺いました。例えば、ガラス張りのバードルームがあるお店、お客様と同じ空間にフクロウがいるお店など、コンセプトは様々です。そこから、自分たちのビジョンに合う方法を選択していきました。中でも大阪にあるお店がとてもおしゃれで、それがすごく刺激になりましたね。こういうお店を出したい、というビジョンがカッ！と固まった感じがしました。

―　開業された方にお話を聞くと、どなたも「店舗めぐりして良いところを盗む！」という事をやっていて、それはどんなお店でも同じなんですね。

（坂さん）
そうですね。あと、一般のカフェも回りましたよ。夫婦で「この家具は良いね」「このテーブルの幅は狭いな」とチェックしたり。好みのコーヒーの味を実際に飲んで探して、お店の豆を決めました。ビールも、中延の飲食店で入れてるビールの銘柄を調査して、他にはなくてかつ美味しいと思ったものを入れてます。やっぱり美味しいと思えるものを置きたいですしね。

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取材後にお客さんとして楽しませていただきました。このカウンター席で会社帰りの一杯・・・贅沢すぎるうー！

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こちらはチキンのフリカッセ（美味しかった～！）。その他、手作りのおつまみも多数。食べたい時、飲みたい時、お茶したい時、いろんなシーンで楽しめます。

―　恒例となりつつあるのですが、開業準備のノートを見せていただいてもいいですか？

（坂さん）
何でもノートと呼んでいるんですが、お店の寸法から、融資を受ける際の喋る内容まで何から何までこれを持っておけば大丈夫！というノートです。

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お店のロゴ、手続き関係、物件の寸法など、1冊のノートにやる事・考える事がびっちり書いてある！

― 使いこなされた、「相棒」って感じがいいですね！

（坂さん）
自分でどこに何が書いてあるかわかるので、主人が見ても分からないんです。「そこのサイズいくつだったっけ？」と言われたら、ハイハイ！とこれを開きます(笑)

開業を目指している方にアドバイスを！

― 実際の開業はまだ先という方に、これはやっておいた方がいいよ、というアドバイスはありますか？

（坂さん）
お店のコンセプトに入れているものがあれば、そのための資格を取得したり、勉強をしておいた方が良いと思います。実は菓子製造業と、スイーツスペシャリストの資格も取ったんですが、フクロウのお世話が優先なのでお店に出すのはまだこれから。でも、勉強は必ず後々の為になるので、何でもしておいた方が良いと思います！

― これから開業目指している方にエールをお願いします！

（坂さん）
私は人に恵まれて、みなさんのおかげで出来たようなものですが・・・『どんなに歩みが遅くてもいいので、一つ一つをしっかりこなして行ってくださいね』という事ですね。私自身、ここに来るまで試練がいっぱいあって、もう出来ないんじゃないかな、と思うことばかりでした。でも、それをバネにしたからこそ今があるのかなって思います。いつか笑える日のために乗り越えてやる！って。そしてその結果、今は笑えています！

― お客様も笑顔ですね！

ふんわりとした優しい人柄の坂さん。次々に「大変だったんです～」というお話をされながらも（他にもご紹介しきれなかったエピソードも…）、結論は前向きになっているのが印象的でした。うーん私も見習いたい！

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今年でご結婚20周年！お互いに無い部分を補え合える、ナイスコンビなんですって。素敵！