こんにちは。これからお店を開業する方のサポート担当、イッチーです!

今回はハンドメイドイベント歴10年のオーナーさんが運営する「暮らしを彩る雑貨と手仕事の店 KimamayaT&K」さんにお邪魔しました。
ハンドメイド商品や雑貨のほか、手芸用品やワークショップスペースも備えた、手作りファンに嬉しいお店です!

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西武多摩湖線 一橋学園駅より徒歩1分の好立地。ポップでグリーンあふれる外観、お店に入る前からワクワクしますね。

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お話をお伺いしたのはオーナーの樋口智子さん。
レジと手芸用品の奥にアトリエとワークショップスペースがあります。お店とのスペースを分けているストライプの屋根が可愛いです。

リアルにお金の計算をしたら、夢が動き出した。

ショップ開業前は、展示会やショーウィンドウの企画や設営施工を請け負う会社で長年営業職をされていた樋口さん。
産休中、お母様が「家にいるならこれをやってみたら?」とフエルトでプリンアラモードを作る手芸キットを買ってきてくれたことからハンドメイドに開眼!

- ハンドメイドイベントに参加されている作家さんの中でも「いつかお店を持ちたいな」と思っている方は多いと思います。開業を決意したきっかけを是非伺いたいです!

(樋口さん)
出産後もずっと仕事を続けながら、イベントに月1ペースで出店していたんです。でも残業がとても多い業界で、体調や家のことに支障をきたしてきて…ついに仕事を辞めました。そこから、もし実際に店舗をもったらやっていけるのか?とすぐにお店の試算を始めたんです。

- 開業の一番シビアな部分ですね。でも売上の試算ってどう予測を立てたらいいのでしょうか?

(樋口さん)
「雑貨屋さんをつくるには」系の本に雑貨屋さんの1日の平均客数や月の売上などのおおまかなデータが載っているものがあったんです。その中に知っているお店が掲載されていて、客数や価格帯など実際の様子がイメージしやすかったので、まずはそれをヒントにしました。

- ふむふむ。自分もお買い物する店ならイメージしやすいですね。

(樋口さん)
それと、ずっとイベントに出店していたので「1回のイベントで、うちのレジを通った人数や客単価」というデータがありました。イベント主催者の方とも仲良くなっていたので「今回の来場者は何人だったよ」という話も聞いていて。

- 1日の通行量と来店数の割合みたい!

(樋口さん)
主にこの2つを参考にしながら、「あのお店がこのくらい、イベントはこのくらい、でも毎日その売上ではないから・・・」と考えて、ハンドメイドの委託手数料、仕入れ代、経費などを見積もって、そこから低め低めに考えて試算していきました。

- 今までのご経験のなかに、参考データがあったんですね。

(樋口さん)
今までやりたいとは思っていても、「実際に金銭的に回るのか」というのをリアルに考えたことがなかったんです。でも実際に試算してみたら、赤字にならずやっていけるかな?という風景が見えてきて。
10年間イベントに出てきていろんな作家さんに出会った中で、起業されたり、おうちショップをオープンした方もいらしたので、参考にしながら『私だったら・・・ちょっと手土産も買えて、ハンドメイドも習えて、手芸屋さんの機能も備えて・・・そこにいるだけでテンションが上がるような、自分がほしかったお店を自分の街に作りたいな。』とアイディアができてきました。

- ご家族はどういう反応でしたか?

(樋口さん)
家族は、私がやりたいと言い出したら止められないことは知っていたので「ついに本気で言い出した」みたいな(笑)あとは、幸い私の両親も近くに住んでいたので、元気で頼れるうちに頼っておこうという作戦ですね(笑)

(横にいた樋口さんのお母様)
使えるうちにね!(笑)

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バッグやポーチ、アクセサリーなどなど、個性豊かなハンドメイド商品。自分だけのお気に入りや、他にはない贈り物も見つかりそう!

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レジ周辺には手芸用品やパーツ、ハギレもたくさん!「収集癖もあって、世界中から集めた生地がちょっとありえないくらいの量ある(笑)」インタビュー中も、パーツをお探しのお客様でにぎわっていました。

物件選びは、この地域をよく知っていたからこその決め手がありました

(樋口さん)
この物件は3年くらい空いていて、実は以前から目をつけていました。
まずは、人目に付きやすいところ。 駅のホームからも見えるし、前の道は細いけどこの地域の人の抜け道になっているんです。そしてお店の前に自転車が置けるのが大きい!この付近は自転車でお買い物に来る方が多いエリアなので、自転車を置けるスペースは必要です。

- 確かに、自転車を止められるお店は行きやすい!小さなお子さんがいればなおさらです。

(樋口さん)
あと、ただ物販するだけでなく、ワークショップスペースや制作しているところも見てもらえるように広さも必要。そして自宅も近く子供たちの学区内なので、何かあればすぐ駆けつけられる。いろんな条件がそろった物件だったんです!

- …でもよく「長く空いている物件は、何か不利な理由がある」と言いますが、その点の不安はありませんでしたか?

(樋口さん)
どうやら大家さんが店舗の業種を選定されていたようで、例えば重飲食(※)などはお断りされていたようなんです。あとスケルトン物件だったので、内装工事に費用がかかることもあって断念された方もいたみたい。そんな話をご近所さんから聞いていて「あなたやりなさいよ!」と言われていたんですよ(笑)だからずっと空いていても立地が悪いわけじゃないということも知っていたんです。

- なるほど!物件がなぜ空いているか、理由は様々なんですね。

(※)重飲食とは
焼肉、カレー、中華料理、ラーメン屋など、高機能な排煙・排水設備等が必要な業種のこと。業種に決まった定義はないため、大家さんや管理会社の基準による。これに対して軽飲食は、喫茶店・カフェのこと。

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内装は床にこだわりあり!「歩き心地や足音って居心地にすごくかかわってくるそうで、内装業者さんこだわりの木材を紹介してくれました」
柔らかい歩き心地で、雰囲気のあるカラーも素敵!スケルトンは居抜き等よりも内装費はかかりますが、自分の思い通りの内装にできるのが魅力ですね。

ハンドメイド商品にはクオリティを、仕入れ雑貨には価格以上の満足度を

- 気になる「商品仕入れ」ですが、「何を基準に商品を選んだらいいかわからない、何が売れるかわからない」という悩みをよく聞きます。ハンドメイドとメーカー仕入れの雑貨、それぞれどのような基準で選んでいますか?

(樋口さん)
まず、ハンドメイド商品はとにかくクオリティにこだわっています!
これはイベントに出ていた時から一貫して「縫製が良くない、裏地が安っぽい」はナシで、お金をいただいてよいと思えるものにこだわってきました。このお店でも「安いからまあいいか」で買うのではなく「少し高いけれどこれを選ぶ」と思っていただけるようなコンセプトにしています。

- おお~!それではメーカー仕入れの雑貨はいかがですか?

(樋口さん)
仕入れ雑貨は「自分で買おうと思える値段なのか」という金銭感覚にこだわっています。
たとえば「500円の商品だけど、700円くらいの満足度があるな」という、値段以上の質や満足度を感じるものを選びたい。すごく可愛くても、買うに至らないものってあるじゃないですか。地元でお店をやるなら、ちょっとふらっと来ても買える価格設定のものがたくさんあった方がいいなと思ったんです。そこは皆さんにもご好評いただいています。

- たしかに、欲しいものがあって気軽に買える金額だと嬉しいですよね。

(樋口さん)
スーパーデリバリーは私のように「1種類のものは少量でいいけど、色んなものをたくさん置きたい」人にはすごく助かります。届いた商品のなかにPOPやサンプルを入れてくれるメーカーさんがいたり、不具合があったときのレスポンスも丁寧で勉強になったり、インターネット越しだけど人柄が伝わってくるときは嬉しいですね。

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お店の開業前から、小平の市民委員も務めてきた樋口さん。「地域を盛り上げることもしたかったので、お店のオープンは別の場所で実現しても半分意味がない部分がありました」
その視点が商品選びにも活かされてるんですね。

(樋口さん)
場所によると思いますが、自分のやりたい場所で、どんな商品がいいかなと考える。となると自分の街をよく知らないとダメだなと思います。そして「人よりもこれについて詳しい、好き!」と自負できるものがあると、それを軸にしたお店の特徴が自然とできてくるのかなと思います。そういう軸がなく「これが売れ筋だから」という理由で仕入れてお店づくりをしていたらダメなんだろうなと感じましたね。

これから開業する人へ、本気になると追い風が吹いてきます!

では、最後にこれから開業する方にエールをお願いします!

(樋口さん)
大切なのは、「あきらめないこと、タイミングを逃さないこと」かな?
やっぱり…絶対勇気は必要です。私も何回もやりたいと思っていたのに、飛び込めない時期もありました。ちょっと後ろ向きな声を聴くことが多かったりとか、それを乗り越えられなかったんですよね。

- 今回は「今だ!」というタイミングが来たんですね。

(樋口さん)
今やらなかったらもうやれない、くらいに。本気になると追い風が吹いてきて手伝ってくれる人も出てきたり、多少リスクがあっても本気ならみんな応援してくれます!逆に、本気にならないと周りも応援しないですよね。だから…「本気になる勇気をもってください!」ですね。

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ハンドメイドや雑貨選びの楽しみがつまったお店から、樋口さんの地域への愛をビシビシと感じました。「このお店に来たいからお散歩に出ることにした」というおばあちゃんがいたり、ワークショップの参加者同士でお友達の輪が広がっているそう。雑貨屋さんって地域のコミュニティにもなるんですね。

ステキなお話をありがとうございました!

■店舗情報
暮らしを彩る雑貨と手仕事の店  Kimamaya T&K
東京都小平市学園東町1-2-4 グレース小林1F-B
営業時間 10:30~18:00(土日定休)
※ワークショップのスケジュールはサイトをご確認ください

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